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ツキノワグマ「クー」、春の目ざめ!
 ──上野 2007/03/23

 こちらのニュースで、ニホンツキノワグマのメス「クー」(推定2005年1月生まれ)が、2006年12月18日(月)から、一日のほとんどを眠るようになったとお知らせしました。このたび、無事に春の目ざめをむかえました。

 クーに変化が見られたのは、3月に入ってからのことです。冬眠状態にあったクーは、3月2~3日の連日、水を飲むために「冬眠室」から出てきたのです。また、巣材の乾草をときおり口に運び、食べるようになりました。

 そこで、約4℃になっていた室温を徐々に上げました。となりの部屋とは自由に行き来ができるようになっているのですが、その部屋の照明点灯時間を、午前9時~3時から、午前6時30分~午後6時へと徐々にのばしました。

 3月17日にはキャベツとコマツナを食べ、さらに手前の屋内展示室にも出てきました。絶食を始めてから、じつに95日ぶりの食事です。3月19日に体重測定をおこなったところ、体重は47キロで、2006年11月下旬の58キロから約19%減少していました。

 まだ睡眠時間が長いものの、クーはとても元気で、冬眠状態の前と同じ動きを見せています。冬眠展示に取り組みにあたって、クーの健康管理がいちばんの課題だっただけに、無事目ざめたことに、関係者一同、ホッと胸をなでおろしています。

 今後、クーは、タロコ(メス、1歳)と交替で屋外放飼場に出します(富山市ファミリーパークからオスの「タロウ」として来園した個体は、メスと判明し、「タロコ」と改名しました)。と交代で屋外放飼場に出す予定です。冬眠状態からさめ、外のあたたかい放飼場で遊ぶクーの元気なすがたをごらんください!

〔上野動物園飼育展示課 寺田光宏〕

・写真上:2007年3月20日
・写真下:2007年3月22日

(2007年3月23日)



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