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深海のサメ、トガリツノザメ──葛西 2007/01/05

 先週のニュースではトガリエビスをとりあげましたが、今週はトガリツノザメ。「トガリ」続きですが、あくまで偶然です。トガリツノザメは深海に生息するサメ。葛西臨海水族園では、「世界の海」エリアの「深海の生物」コーナー3番目の水槽で、キンメダイやムツなどといっしょに展示しています。自然状態では、おもに小さなエビや魚などを食べ、体長は最大80センチほどになります。

 このサメのなかまは、背びれのいちばん前に大きなトゲをもつものが多いことから、「ツノザメ」と総称されています。世界に 115種知られるこのツノザメ目は、良質の油を大量に含んだ肝臓をもち、それを浮き袋として利用しています。食用としてもクセがなく、サメ特有のにおいが少ないため、伊豆諸島では名産の「クサヤ」に加工されることもあります。また、湯引きやフライ、煮つけ、唐揚げなど、食用にされています。

 さて、このトガリツノザメは先月(2006年12月)、東京湾でおこわれている深海刺し網漁業によって、水深約 250メートルで採集されました。長期飼育がなかなかむずかしい魚ですが、水槽で餌を食べ始めています。なんとか長期間展示できるよう、奮闘中です。

〔葛西臨海水族園飼育展示係 杉野隆〕

(2007年1月5日)



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