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ニホンコウノトリ、29年連続で誕生! ひながすくすく成長中
 └─多摩  2016/06/21

 多摩動物公園では、2016年5月にニホンコウノトリのひなが孵化し、今年で連続29年の繁殖成功となりました。ひなは献身的に世話をする親鳥によりすくすく育っています。

2016年に孵化したコウノトリ

 孵化日:2016年5月8日(日) 誕生数:1羽 性別:不明


5月8日に誕生したひな

繁殖の経過について

 多摩動物公園では、ニホンコウノトリの計画的な繁殖をおこなっており、その保全事業にも大きく貢献しています。
 2016年は、未発生卵を兵庫県立コウノトリの郷公園へ輸送したことに加え、国内のニホンコウノトリの遺伝的多様性管理のために繁殖制限をおこなったため、1羽のみの孵化となりました。ひなは順調に育っており、子育てのようすを観覧通路からご覧いただけます。

 ※未発生卵:産卵後の加温(親による抱卵など)がされておらず、卵内部の細胞分裂が進んでいない状態の卵のこと。発生途中の卵と比べて温度や振動などの外部環境の変化に強いとされている一方、未発生のため有精・無精の判定はできない。

多摩動物公園のニホンコウノトリの飼育について

 多摩動物公園では、1988年に日本で最初となる飼育下でのニホンコウノトリ繁殖に成功して以来順調に繁殖が続き、今年で29年連続の繁殖成功となりました。日本における飼育下でのニホンコウノトリ個体数維持に大きく貢献しています。
 また、兵庫県豊岡市にある兵庫県立コウノトリの郷公園で、2005年から実施されている放鳥事業(ニホンコウノトリを自然に帰す活動)に個体を提供するなどの協力もおこなっています。

兵庫県立コウノトリの郷公園との卵の交換について

 多摩動物公園では、2016年4月に兵庫県立コウノトリの郷公園へ、ニホンコウノトリの未発生卵の輸送を実施しました(2016年4月6日兵庫県立コウノトリの郷公園発表済)。当園の2ペアから採取された未発生卵4卵が、4月6日にコウノトリの郷公園へ輸送されています。
 その結果4卵とも発生が確認され、このうち2卵はコウノトリの郷公園の仮親に托卵、5月8日に無事孵化しました。現在、この2羽のヒナも順調に育っています。

多摩動物公園での飼育状況(2016年6月21日現在)

 今回誕生した個体を含め、55羽(オス28羽、メス26羽、不明1羽)になりました。

(2016年6月21日)


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