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世界初、透明な血液を持つ南極の魚まもなく公開!
 └─葛西  2011/08/22

 葛西臨海水族園で、コオリウオ科の1種であるオセレイテッド アイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)<写真上>を公開します。他の水族館での採集・展示例は無く、水族館で生きた状態で展示するのは世界初です。

コオリウオとは

 コオリウオはわずか16種が知られており、そのうち13種が南極半島周辺の水深5メートル程度の浅瀬から1,000mを超える海底において採集されています。側線以外に鱗(うろこ)が無く、頭部は扁平な形をしています。
 最大の特徴は、脊椎動物で唯一、血色素ヘモグロビン(※)をもたないため血液が無色透明なことです。このため、ほとんどの魚の鰓(えら)は、赤やピンク色をしていますが、コオリウオの鰓は、クリーム色です。

(※)ヘモグロビン:
 ヒトを含む全ての脊椎動物の血液中に存在する赤血球の中にあるタンパク質。鉄を含むヘムをもっているため赤色を帯びている。ヘモグロビンは肺や鰓などで酸素と結合し、それを各組織へ運ぶ働きがある。

公開日時 2011年8月24日(水)より
     ※開園時(9時30分)から公開します。

公開場所 世界の海エリア「南極海2」水槽

経緯

 当園では、以前から南極海の魚類を展示しており、展示を充実させるべく、2010年度から情報収集を行ってきました。その中で、日本水産株式会社が南極で行うナンキョクオキアミ操業の際に、一緒に採集される魚類の情報を得ました。このため、漁獲物の船上蓄養を依頼するとともに、荷揚げするためのチリ帰港にあわせて当園職員が出張し、採集生物を譲り受けることとしました。

 2011年8月10日に採集生物を受け取り、空路で日本に輸送。8月19日、オセレイテッドアイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)、ブラントスケイリーヘッド(ウルメウロコギス)、ストライプトロックコッド(ウロコギス)の3種が無事、当園に到着しました。

 今回、オセレイテッドアイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)の成魚1個体を公開することとなりました。
 なお、その他の魚は、水温0~1度を維持する十分な展示スペースがないため当面の間は非公開となりますので、ご了承ください。

協力機関

日本水産株式会社
東京家政学院大学 岩見哲夫教授
独立行政法人水産総合研究センター

参考

オセレイテッドアイスフィッシュ(ジャノメコオリウオ)
 学名:Chionodraco rastrospinosus
 分類:スズキ目ナンキョクカジカ亜目カンニクティス
    (コオリウオ)科
 分布:南極半島周辺からスコシア海域
 生態:全長約55cm


写真上 オセレイテッドアイスフィッシュ
    (ジャノメコオリウオ)
写真下 船上での畜養の様子

An Ocellated Icefish (Chionodraco rastrospinosus) is now on display at Tokyo Sea Life Park, an aquarium in Edogawa, Tokyo. The species lives in the Antarctic region, but is extremely rare, and has never been collected or exhibited at any aquarium in the world. It is the world''''s first living icefish display at an aquarium!

They are unique in that their blood is translucent like clear water. Almost all the vertebrates have hemoglobins in the blood, and the hemoglobins usually contain red pigments, but icefish lack hemoglobins.

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(2011年08月22日)



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