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冬眠から覚めたヤマネ
 └─多摩  2011/05/21

 ヤマネの冬眠は、体に蓄えた栄養分だけで半年間も命を維持できます。環境の温度に合わせて体温を0度近くまで下げて代謝量を少なくし、さらに手足を内側に入れて丸くなることで、なるべく体表面からの放熱を少なくします。

 多摩動物公園ノウサギ舎のヤマネたちは、2010年の春から室外で飼育していますが、初めての冬に5か月ほど冬眠をしました。

 昨年10月下旬からまったく採食しない日が始まり、11月7日に幅10ミリメートルほどの戸袋にもぐり込んでいたのは、いま思い返せば冬眠場所に選んだのでしょう。 そこで11月9日に、お客さんから見やすいようにアクリルと木の板を張り合わせた巣を新たに設置したところ、翌朝には2頭一緒に入っていました。巣のすき間は15~25ミリメートルで、少し窮屈そうに見えますが冬眠場所として、好んで入ってくれたようです。

 不安定な春の気候の中で、冬眠からうまく目覚めてくれるか不安でした。

 2011年3月下旬に2度餌を食べたので、3月30日の夕方に展示から裏側の小ケージに移し、暖房用のオイルヒーターを点けました。

 4月2日からは昼間だけ展示のため外に出すようにし、4月11日からは昼夜とも展示ケージに出すようにしました。そして、ゴールデンウィーク中の5月4日日没後の午後6時45分頃に、すばやくフジヅタを移動する姿が観察されました。

写真:冬眠用の巣箱

〔多摩動物公園南園飼育展示係 由村泰雄〕

(2011年05月21日)



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