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木曽馬の子、名前決定!
 └─上野  2010/05/29

 今年(2010年)、上野動物園の開園記念日である3月20日に誕生した木曽馬の子の名前が決まりました。「初桜」(はつざくら)です。

 木曽馬の名前は漢字2文字で表し、父親・母親両方の家系を3代前までさかのぼって調べ、同じ名前があってはいけないという決まりになっています。

 たとえば、今回出産した「幸泉」のお父さんは「幸葵」、お母さんは「福泉」、おじいちゃんは「幸風」と「豊風」、おばあちゃんは「駒草」と「福花」……というようにすべて記録されていますので、これらの名前と重ならないように考えました。「初桜」にしたのは、幸泉が初めて産んだ子であることと、桜が満開の日に生まれたためです。桜ちゃんと呼んでください! さて、初桜は日々すくすくと成長しています。担当者は毎日のように見ているので、「大きくなったね~」といろいろな人に言われてもピンときませんでした。でも、朝夕運動場と部屋との往復のとき、馬を引くために顔につける無口頭絡という馬具のベルトがどんどん短くなり、今では新らしい穴を開けなくてはいけないほどに……大きくなったなあ~。

 生まれたときの体重は31.5キログラム、10日後には46キログラム、5月初旬の体重測定では、驚異の83.5キログラム……成長を実感しました。

 生まれたときから物おじしない性格でしたが、現在ではさらに怖いもの知らずで、お母さんの幸泉を困らせています。

 幸泉が一番心配しているのは、わが子と他の個体との関係です。隣の運動場には野間馬の「えりか」、トカラ馬の「琥太郎」、与那国馬「シン」がいます。初桜はお兄さんやお姉さんに興味津々で、幸泉の目を盗んでは柵越しに鼻を突き合わせたりしています。しかし幸泉はそんな光景を見るとえりかたちに強烈な蹴りをくらわせようとします。柵越しなのであたりませんが……。いつもはやんちゃな琥太郎も、初桜に対してはとても優しく接していますが、それでも幸泉は許さないのです。

 今後は少しずつ初桜を慣れさせて、人とのつきあい方を教えていきます。今のまま成長すれば、すばらしいフレンドホースになるはずです。焦らず、初桜の長所を存分に活かしていきたいと思っています。

〔上野動物園子ども動物園係 橋川真弓〕

(2010年05月29日)



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