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今年もお目見え! プレーリードッグ
 └─上野  2010/05/07

 ここ数年、この春の時期にお知らせしていたあるニュース……今年はお知らせできないかと、飼育担当者はヒヤヒヤしておりました。 しかし、今年も無事にプレーリードッグの赤ちゃんが巣穴から放飼場に出て来ました!ホッ(担当者が胸をなで下ろした音)。

(2009年の赤ちゃん情報はこちら

 野生では、北米の草原で巣穴を掘って生活をするプレーリードッグ。上野動物園でも放飼場の巣穴の中で出産をします。赤ちゃんは毛のない赤裸の状態で生まれ、そのまま1か月半程度巣穴の中で過ごしながら成長し、ようやく放飼場に出てきます。

 2008年は例年通りの4月下旬、そして2009年は少し早めの4月中旬には巣穴から子が出てきていました。ですが今年はなかなか姿を見せてくれません。担当者も「今年は生まれないのだろうか……」と一抹の不安を抱えていました。ただ、成獣の中に数頭、乳首の辺りが膨らんでいる個体がいたため、期待もしておりました。

 初めて巣穴から子が出てくる姿を確認できたのが5月6日のお昼頃。この日は天候に恵まれ、ポカポカと穏やかでさわやかな陽気。おぼつかない足取りで歩く計3頭(いずれも性別は不明)が自ら巣穴を出て来ました。ちまちまと歩く頭でっかちなその姿は、小さいながらも放飼場ではかなり目立つ存在です。巣穴に戻ろうとした1頭が、斜面を登りきれずにコロンコロンと転がるハプニングもありましたが、無事に放飼場デビューを果たしました。

 放飼場を整備するため、成獣も含めた全頭の捕獲を5月中におこないます。今年生まれの子の最終的な頭数や雌雄はそこではっきりする予定です。

 気温の低い日や、開園直後・閉園間近は巣穴に入っていることが多いため、「暖かい日の午前10時~午後3時くらい」を合言葉に、プレーリードッグ放飼場までおいでください。この時期にしか会えない「ちまちま軍団」とともにお待ちしております。

〔上野動物園東園飼育展示係 川崎繭〕

(2010年05月07日)



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