ニュース
コツメカワウソが出産しました!
 └─多摩  2010/01/05

 2009年10月21日、多摩動物公園でコツメカワウソの「カワ」ちゃんが3頭を出産しました。

 残念ながら1頭は12月24日に死亡しましたが、残りの2頭はすくすく成長し、親について動き回っています。すでにワカサギを食べるようにもなり、水に入って泳ぐ姿も見られるようになりました。

 コツメカワウソは1日に何度か、子どもをつれて引越しします。そのため、寝室には巣として利用できるよう、麻袋2枚と巣箱1個を置きました。麻袋は動かないよう固定してあります。また、巣材として乾草を置きました。出産後、カワちゃんは一生懸命、乾草を巣に運び込んでいました。また、子どもが小さいうちは、1日に3回くらい、巣から巣へと引越ししていました。

 コツメカワウソはオスも育児に参加するといわれています。ところが10月26日、メスが赤ちゃんの首筋をくわえて持ち上げ、巣から巣へと引越しを始めると、ゴンタくんは引っ越し先とは別の巣に他の赤ちゃんを連れて行ってしまいます。いったい、手伝っているのか、ジャマをしているのか、わかりません。そんな行動にカワちゃんもあきれたのか、ゴンタくんが運んでいる子を奪い返すこともありました。

 こんなようすが11月上旬まで続きましたが、中旬以降、子の世話にも慣れてきたのか、巣から出て行こうとする子を巣内に引き戻したり、巣の入口にかまえて、飼育係や物音に対して警戒したりするようすが見られるようになりました。

 じつは、コツメカワウソにとって今回が3回目の出産でした。1回目は子が食べられてしまい死亡。2回目は死産でした。2回目は、子がすでに死亡しているにもかかわらず、子が麻袋の中にいるあいだ、親は巣材をしきりに運び込み、飼育係に対して警戒するなど、あきらかに子育てをしようという気が1回目よりも感じられたので、飼育係も今度こそはと期待していました。

 子の数が2頭とはいえ、無事に成長しており、ほっと一安心です。コツメカワウソは家族で暮らすことが知られています。「ゴンタくんカワちゃんファミリー」がどこまで大きくなっていくのか、楽しみです。

写真上:子を連れて引越しするようす(2009年11月04日)
写真中:水中で何かを探しています(2009年12月24日)
写真下:オス(ゴンタくん)と2頭の子(2010年01月02日)

〔多摩動物公園南園飼育展示係 大橋直哉〕

(2010年01月08日)



ページトップへ