これまでマンボウは、世界中のあたたかい海の、比較的浅いところでくらしているといわれていました。しかし、最近の研究では、マンボウは深海にも出現することがわかってきています。
研究者がマンボウに記録装置を取りつけて調べたところ、マンボウも季節によっては一日の半分以上を深海で過ごすことや、ときには約 800メートルもの深さまで潜ることがわかりました。また、深海でイカやエビなどを食べているということも明かにされています。
一見、あまり泳ぎがうまくないのんびり屋さんといったイメージのマンボウですが、じつはかなりの行動派だったのですね。このマンボウの興味深い生態を紹介するために、葛西臨海水族園では現在、深海のコーナーでマンボウを展示しています。
マンボウはかしこい魚で、食事を与えるために私たち飼育係が水槽の中で手招きをすると、ちゃんと近づいて来ます。そして、私たちの手から直接、特製の「マンボウ団子」を口にするのです。
しかしこのとき、ごはんだ!とマンボウも興奮するのでしょうか、勢いよく泳ぐあまり、そのまままっすぐ水槽の壁にぶつかってしまったりして、ちょっとおっちょこちょいな一面もあります。
そこで、水槽の壁にぶつかる衝撃を少しでも和らげるために、壁際にはビニールシートが張ってあります。ちなみにマンボウ団子は、マンボウが深海で食べているといわれるイカとエビが材料です。
さて、今回紹介したこのマンボウは、去年(2008年)3月19日に葛西臨海水族園にやってきました。このたび来園1年。現在、水族園のマンボウの最長記録を更新中です。ぜひ、このマンボウに会いに水族園へおいでください。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 雨宮健太郎〕
(2009年03月20日)
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