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続・新たな視点で見てみると(9)
 キャビアの次はイクラ、シロザケの孵化
 └─葛西  2009/02/28

 前回の「続・新たな視点で見てみると──にせものキャビアから生まれた仔は『だんご!?』」はごらんいただけましたでしょうか?

 「キャビア」の次は「イクラ」の話題だ!と言うわけで(?)、今回は「イクラ」、つまり、シロザケの卵の孵化の映像をお送りします。

 ちょっとした縁があって、昨年(2008年)末から、シロザケの産卵、孵化、稚魚の観察をする機会を得たので、撮影を試みました。産卵の観察は、前日降った雪が川辺に残る12月の宮城県の川でおこないました。気温は5℃、水温はそれよりも高いのですが、かなり冷たそうです。

 自分はこれでも水温1℃の南極の海に潜った経験があるので、「まあ大丈夫だろう」と思っていましたが、さすがに1時間以上冷たい川の水に潜っていると、指先がしびれてきて頭もボーッとしてきます。

 しかし、目の前に広がる命のリレーのスペクタクルに、心は大興奮でした。残念ながら産卵の瞬間を撮影することはできませんでしたが、産卵直前の雌雄をとらえることができました。

 動画はシロザケの卵(つまりイクラ)の孵化のようすです。小さな稚魚が卵の膜を一生懸命破って出てくる場面には心を動かされます。

【動画:シロザケの孵化】

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 葛西臨海水族園の水辺の自然エリア「渓流」水槽では、毎年のようにヤマメが産卵をしています。また、イベント「ヤマメの里親教室」に参加して、この感動的なシーンを目撃された方もいらっしゃるかもしれません。

ヤマメの里親参加者募集のニュース(募集は終了しています)

写真上 :産卵にのぞむシロザケの雌雄
写真中上:孵化直前の卵
写真中下:孵化直後の稚魚
写真下 :まだ4~5センチほどのシロザケ

〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

(2009年02月28日)



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