今年(2008年)4月、上野動物園で飼育していたコモドオオトカゲ1頭(メス)をシンガポール動物園に送り出しました。(当時、コモドオオトカゲを飼育していた動物園は上野動物園だけでしたが、その後、2008年10月にインドネシアから札幌市円山動物園にペアがやってきました。)
・ニュース「
国内唯一のコモドオオトカゲ、シンガポールへ」
上野動物園から送り出したメスは、1994年8月18日にアメリカのワシントン国立動物園で生まれた個体です。1995年11月に上野に来園し、その後、産卵したことはあるのですが、孵化にはつながりませんでした。
そこでこのたび、シンガポール動物園、ポルトガルのリスボン動物園、上野動物園の3園が協力し、繁殖をめざすことになったのです。リスボン動物園からシンガポール動物園には、オスの「ビマ」が移動。ビマは1998年からリスボン動物園で飼育されていました。ちなみに、ビマ Bima という名は、コモドオオトカゲの生息地に近い、インドネシアの地名に由来すると思われます。
このビマと「ヨーコ」(上野では「若」と呼んでいましたが、シンガポールではYokoと呼ばれています)の2頭が、2008年12月2日、ついに交尾しました!2頭に交尾が確認されたのは初めてです。
シンガポールからの知らせによれば、今回は4回目のお見合い。オスの求愛行動に対し、メスは逃げようとしていましたが、体重はオスが約70キロ、メスは30キロ程度なので、メスは体重をかけられるとなかなか動けません。
同居させて約30分後、交尾が確認され、その状態は2分弱ほど続きました。シンガポールからのEメールによれば、オスはあまり攻撃的な行動は見せなかったそうです。ただし、大きなオスに乗られればメスは楽ではないでしょう、とも書かれていました。
うまく行けば、2か月以内に産卵が見られるかもしれません。
写真上:交尾中のビマとヨーコ(写真:シンガポール動物園)
写真中:ビマ(写真:シンガポール動物園)
写真下:ヨーコ(上野動物園での写真)
(2008年12月19日)