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子ども動物園に念願のヤギ橋完成!!
 └─上野  2008/10/17

 上野動物園の子ども動物園では、ヤギの「エンリッチメント」(動物の飼育環境を改善する試み)として、「ヤギ橋」設置を検討してきました。材料費や構造上の問題があり、なかなか実現できませんでしたが、このたび完成にこぎつけました。

 ある日、園内でメタセコイアの大木を2本伐採するとの話が伝わってきました。伐採前の現物を見たところ、違う長さに輪切りにして、階段状に並べてやれば、ヤギの登れる「塔」ができると思いつきました。塔の上からヤギ山に丸木橋をかければ、ヤギが渡ることができます。

 伐採の際、植木屋さんに指示を出し、長さの違う丸太が8本できました。でもここから時間がかかったのです。子ども動物園では、在来馬の運動場など、さまざまな設備を職員が手作りで完成させてきました。当然、ヤギ橋も自力で作るつもりでした。

 しかし、太くて大きい丸太は数百キログラムもの重さがあります。悩んだ結果、自分の頭も重たくなってしまいました。しっかり作らないと、安全上の問題もあります。こうして、材料の準備ができてから2か月が過ぎ去ったのです。

 アイデアが浮かんではボツになるという繰り返し。悩んだ末の結論は、なさけないことに、「自分たちでつくるのはムリ」ということでした。結局、動物園サポーター資金を活用し、業者に依頼して、10月14日の休園日、土砂ぶりの中で作業をしました。

 翌10月15日の午前8時30分、ヤギ橋の上に乾草を置いて準備完了。ヤギたちを出します。ヤギたちはいきおいよく出て行きましたが、ヤギ橋は素通りし、広場の奥の枯葉を食べに行ってしまいます。期待して待っていた職員一同、拍子抜けでした。

 しばらくして枯葉がなくなると、やっとヤギ橋の乾草に気がついてくれました。ヤギたちはまず、口がとどくところから食べ始めます。結局この日は、高さ75センチの2段目までしか登りませんでした。16日は青草を上においたところ、慣れてきたのか、 140センチの高さがある3段目まで登りました。

 ヤギたちも新施設に徐々に慣れるでしょう、橋を渡るヤギの勇姿をみなさんといっしょに見られる日を楽しみにしています。

〔上野動物園子ども動物園係長 高藤彰〕

(2008年10月17日)



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