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オグロプレーリードッグ展示場の土の入替えと健康診断
 └─ 2023/01/12
 休園日の2022年11月28日(月)、オグロプレーリードッグ展示場の土を入れ替える作業をおこないました。これまでは毎年実施していたのですが、新型コロナウイルス感染症の流行以降は大人数での作業に制限がかかっていたため、土の継ぎ足しをすることで現状維持を図っていました。今年度やっと制限が緩和され、3年ぶりに土の総入れ替えを実施することができました。

 入替えを実施する前に、展示場内にいるプレーリードッグをすべて捕獲する必要があります。土の搬出などの作業中に、プレーリードッグを埋めてしまったり、踏んでしまったりする事故を未然に防ぐためです。そしてこの機会に、すべての個体の健康チェックと、2022年の春に生まれた個体に識別するためのマイクロチップを入れる作業をおこないます。

 健康チェックは、1頭ずつ丁寧におこないます。ケガや病気をしていないか、歯は伸びすぎていないか確認していきます。プレーリードッグはげっ歯類ですので、歯が一生伸び続けます。そのため、えさに枝葉や種子類など固いものも与えているのですが、それでも伸びてしまっている個体もいるので、口の中も念入りにチェックしていきます。

 状態の確認をした後、必ず体重も測定します。今年は歯が伸びた個体が4頭、爪が伸びていた個体が1頭いたため、それぞれ歯切りと爪切りをおこないました。そして、今年の健康状態や体重は記録として残します。この記録は、来年の健康チェックの際に昨年との比較をおこなうときに使用します。人間の健康診断と似ていますね。


体重測定中のプレーリードッグ

 プレーリードッグの捕獲と健康チェックのあと、展示場の土の入替えをおこないます。古い土を捨て、新しい土を入れていくという単純な作業ですが、捨てる土は2トンダンプ車2台分におよびます。この作業はプレーリードッグの飼育担当だけでは手に負えないので、飼育展示課全体に協力を依頼し、だいたい10人くらいでおこないます。

 古い土をすべて出し終わったあと、新しい土を入れていくのですが、真砂土と黒土を交互に入れて層をつくり、崩れにくくなるようにします。土の入替え作業は係員が手作業でおこなうため、朝から始めて夕方にようやく終えることができました。

 土の入替え作業終了後に健康診断を終えたプレーリードッグたちを戻したところ、新しい土を一所懸命掘りトンネルをつくっていました。

土出しの作業のようす
作業終了直後

 上野動物園に来園した際には、穴掘り、冬支度や巣材運びに励むプレーリードッグたちに会いにきてみてはいかがでしょう。


展示場に戻した直後のプレーリードッグ

〔上野動物園東園飼育展示係〕

(2023年01月12日)



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