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140周年企画ズーネット連載「上野動物園 この10年──両生爬虫類館の特設展示」は虫類館飼育展示係
 └─ 2022/12/15
 上野動物園の西園にある両生爬虫類館では、国内外に生息するさまざまな両生類と爬虫類を展示しています。また、動物の展示だけでなく、教育普及活動にも力を入れているのが大きな特徴です。


両生爬虫類館

 両生爬虫類館の入口を入ってすぐ右側にある特設展示会場では、年度ごとにテーマを決め、それに合わせた両生類と爬虫類を展示するとともに、その特徴などを解説しています。上野動物園内で定期的に特設展示を開催しているのは両生爬虫類館だけです。

 飼育係にとって、特設展示はバックヤードだけで飼育している動物の展示、新たな飼育展示方法の開発、できるだけわかりやすい解説の検討など重要な実験の場でもあり、ここで得た経験を常設展示にも生かしています。


パンサーカメレオンが展示されたことも

 この10年間に両生爬虫類館で開催してきた特設展示を振り返ってみます。

・2012年3月6日(火)~12月28日(金)「両生爬虫類鑑 たべる」
・2013年3月5日(火)~12月28日(土)「両生爬虫類鑑 あし」
・2014年3月11日(火)~12月28日(日)「両生爬虫類鑑 まもる」

 この3年間は、両生爬虫類館における特設展示の主要な3つのテーマである「たべる」「あし」「みをまもる」を主題に、タイトルに両生爬虫類「鑑」と入れ、会場のデザインは図鑑を見るようなスタイルでの展示解説をおこないました。


2013年「両生爬虫類鑑 あし」

・2015年3月24日(火)~10月18日(日) 「両生類爬虫類のえさの食べ方 捕え方」

 テーマ「たべる」を進化させ、両生類と爬虫類の餌の探し方や捕らえ方についても解説しました。また、両生類と爬虫類がえさを食べるようすの動画や、上野動物園で飼育している両生類と爬虫類以外の動物たちのえさの量も紹介し、比べてみると獰猛に見えるワニも意外に小食であることなどを解説しました。

会場入口(※期間を延長しました)
解説パネル「驚くほど少食!」

・2016年3月23日(水)~10月30日(日)「ホネトハ展──両生類・爬虫類の見る骨(コツ)知る骨(コツ)」

 両生爬虫類館で保管している標本だけでなく、上野動物園内にある標本収蔵庫も調べて展示素材となる骨格標本を集めました。そして、両生類と爬虫類の骨や歯に着目し、その多様性や私たちヒトとの共通点を見つめ直し、解説しました。

 このときはこれまでとは展示形態を大きく変更したのですが、これはこれで準備に「骨」が折れました。

会場入口に設置したタイトルパネル
(※期間を延長しました)
生体のほかに骨格標本なども展示

・2017年3月22日(水)~12月28日(木)「ハペペ博士の研究所──あしのナゾ」
・2018年3月26日(月)~12月28日(金)「ミヲマモル──Dr.ペトルの秘密の倉庫」
・2019年3月28日(木)~2020年12月25日(金)「ハラペコロジー──なにを食べる? どう食べる?」

 この3年間は主要な3つのテーマをベースに、過去の展示のよかった点や改善が必要な点を洗い出し、来園者のみなさんにできるだけ楽しく学んでいただけるように試行錯誤をしました。

 解説をできるだけ少なくし、それぞれ架空の人物を登場させて、ストーリー性を持たせた展示を構成しました。


2019年「ハラペコロジー──なにを食べる? どう食べる?」

・2021年7月6日(火)~現在 「民俗学からみる くらしの中の両生類・爬虫類──Folklore × Herpetology」

 日本には、いまとなっては風化してしまった文化もあれば、現代にも脈々と受け継がれている文化もあります。さまざまな視点から、くらしのなかの両生類と爬虫類を見つめ、日本の両生類と爬虫類を文化的側面から紹介しています。

現在の特設展示会場
「岩国のシロヘビ」

 2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、上野動物園自体が閉園していた時期や、動物園が再開してからも両生爬虫類館はまだ閉館していた時期があり、そのあいだは特設展示が展示中止を余儀なくされたのは、とても残念なことでした。

 現在の特設展示は12月28日(水)に終了予定で、残りの期間もわずかとなりましたが、上野動物園にお越しの際は、両生爬虫類館にもぜひお立ち寄りください。

〔上野動物園は虫類館飼育展示係 佐藤薫〕

◎140周年企画ズーネット連載「上野動物園この10年」
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新たな一歩をふみだす「子ども動物園すてっぷ」
教育普及事業の変遷
動物病院の建て替え
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都立動物園マスタープランに基づいたさまざまな取組み
新型コロナウイルス感染症への対策
ギフトショップおよびフードショップでの環境配慮への取組み
東園の動物の10年

(2022年12月15日)



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