ニュース
両生爬虫類館が取り組む国産希少動物の保全を伝える常設展示を開始します
 └─ 2022/07/25
 両生爬虫類館「ビバリウム」では、都内に生息する両生類や、島嶼(とうしょ)固有の国産希少動物について、本来の生息環境のなかでおこなう「生息域内保全」、そして動物園などでおこなう「生息域外保全」に取り組んでいます。

 2022年7月26日から、両生爬虫類館が取り組む生息域内・域外での保全活動とそれら保全の対象となっている動物の現状についての解説パネルと、当園で繁殖した動物たちの常設展示を開始します。

 生息域内保全では、都立動物園・水族園4園が協力して都内ではあまり見られなくなったアカハライモリの生息地の保全に取り組んでいます。域内保全活動をしている都内の生息地で、生息個体数の調査や新たな産卵場所の造成、地元学校への教育普及活動をおこなっています。

 生息域外保全も着実に進めています。都内産の両生類、特に平野部に生息する種は、開発などの影響により個体数が減少し、その多くが東京都のレッドデータブックに記載されています。そこで2007年から都立動物園・水族園4園が連携して、都内産両生類の飼育下繁殖の技術向上に努めてきました。その結果、いくつかの種では飼育下で生まれた子がさらに繁殖する「累代繁殖」にも成功しています。

 一方、小笠原諸島や南西諸島などではその島で独自に進化した生物が多く見られます。それら島嶼固有の生物は、外部からのさまざまな影響により、激減してしまうおそれがあり、実際に生息数が減っている種も少なくありません。両生爬虫類館では、国産希少種であるこれら島嶼固有の両生類や爬虫類、陸産貝類についても、さまざまな機関と連携して生息域外保全に取り組んでいます。

 いままで身近にいると思っていた動物も、気づけば姿を見かけなくなってしまうことがあります。この展示を通して、保全活動の重要性を感じてもらい、みなさんの身近な自然にあらためて目を向ける機会になれば幸いです。

展示開始日
 2022年7月26日(火)

場所
 西園 両生爬虫類館(ビバリウム)エントランスホール

展示生物
 アカハライモリ、アナカタマイマイ、イボイモリ、ミヤコカナヘビなど

アカハライモリ
アナカタマイマイ


展示のようす

(2022年07月25日)



ページトップへ