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サル山の新たな命
 └─ 2020/08/01

 上野動物園では、今年4月から6月にかけて、ニホンザルの赤ちゃんが3頭生まれました。サル山でニホンザルが誕生したのは6年ぶりとなります。今回3頭生まれたことで、群れの頭数は38頭になりました。


 3頭の母ザルはどの個体も初産です。母ザルは産後数日は特に警戒心が強く、子ザルをしっかりと抱え、飼育係にもなかなか子ザルを見せようとはしてくれませんでした。生後1週間くらいして、徐々に母ザルから離れる場面も見られるようになり、1ヵ月もすると、子ザル同士で遊ぶ場面も増えてきました。母ザルはみな初めての子育てということで、好奇心旺盛な子ザルたちに手を焼いているようすもうかがえます。

 群れのサルたちも、子ザルを抱えている母ザルに対しては気をつかっているようすで、自分よりも先にえさをとることを怒っていた力の強いサルたちも、産後は母ザルに対しては怒ることなく見守っているようです。また、今回出産しなかったほかのメスのサルたちは、新たに群れに誕生した子ザルに興味津々です。抱かせてほしいためか、今までは見られなかったような組み合わせで、他のメスが母ザルに対して毛づくろいをして親睦を深めているようすが見られ、サルたちの行動の変化がとてもほほえましいです。


 子ザルの性別は、先に産まれた2頭がメスで、最後に産まれた1頭がオスです。これからしばらくは、同年代の3頭で遊ぶ姿が見られると思います。群れのなかでこの3頭がどのように育っていくか、今後の成長をあたたかく見守ってあげてください。

〔上野動物園東園飼育展示係 三塚修平〕

(2020年08月01日)


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