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放飼場の「外」に出たナマケモノ──5/6
 ホフマンナマケモノの放飼場に「出口」をつけました。これで出入り自由!放飼場から観覧スペースに出てきます──といっても、ナマケモノはもちろん、木の上でくらす動物。

 じつは、放飼場の囲いの一部に直径30センチほどの穴をあけ、外にあるイチョウの木まで出てこられるようにしたのです。地面におりてくることはありません(地面はツチブタが利用しています。穴だらけ!)。
 穴の位置は高さ4メートルあたり。放飼場内の木に登ったナマケモノは、水平に渡した太い枝に沿って進み、穴を抜けて外に。穴から数メートルほど離れたところにあるイチョウの木まで来ると、こんどは上の方に登っていきます。あんまり上の方まで行くと、見えなくなってしまうんですが……。

 放飼場にナマケモノのすがたが見えないときは、すぐそばにあるイチョウの木を見上げてみてください。残念ながら、木の上にもいないときは、ナマケモノ舎の裏側にいます。

 今いるホフマンナマケモノ2頭(オスの「ヒデ」とメスの「コウ」)は、1983年4月3日、アメリカのリンカーンパーク動物園から贈られました。それまで上野動物園では、戦前に1度フタユビナマケモノを飼育した以外、ナマケモノの飼育例はありませんでした。
 2頭は当初類人猿舎内で公開され、1993年3月に小獣館、2001年9月に現在走禽舎に移動。室内で飼育していたときは、約1週間に1度しか糞をしていませんでしたが、屋外で飼育するようになってからは、約3日に1度に増えました。運動の効果? 2002年11月20日には出産も見られましたが、残念ながら子どもは死亡してしまいました。

 日中はじっとしていることの多いナマケモノたちですが、イチョウのどの枝からどの枝にわたっていくか、ルートがすでに決まっているようです。オスのヒデはあまり外に出てきません。外ですがたを見たら、それはたいていメスのコウです。

 5月5日はいつもより1時間延長して午後6時まで開園していましたが、5時30分ごろ、まだたくさんいらしたお客さんの頭上を、コウがわたっていきました。歓声があがる中、放飼場に帰っていくコウのすがたは、花道を進む役者、のような。

・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のホフマンナマケモノはココ(動画もあります![2003年撮影]うごくナマケモノのすがたをどうぞ)

・写真上:放飼場内のホフマンナマケモノ
・写真下:どこにいるかな?(クリックして拡大!)

(2005年5月6日)



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