ニュース
上野動物園のライチョウ保護への取組み──第6回「ライチョウ公開にあたって」
 └─2019/03/11

 上野動物園では、都立動物園・水族園の冬のキャンペーン「Visit ほっと Zoo 2019」(3月3日終了)の一環として、「みてみよう 日本のいきもの ここがすごい!!」をテーマにしたイベント「うえの de にっぽん!」を開催しました(お知らせはこちら)。

 日本でくらす生き物たちに着目したこのイベントに合わせ、上野動物園におけるライチョウ保護への取組みを、何回かに分けてご紹介しています。

第6回 ライチョウ公開にあたって

 2019年3月15日(金)から、上野動物園では日本産ライチョウを公開することにいたしました。

 野生のライチョウを保護するためには、ひとりでも多くの方にライチョウが直面している問題を知っていただき、守るための取組みや生物多様性の重要さを知っていただくことが重要です。自然環境に無関心な私たち都市部の人間こそが、ライチョウをはじめとする野生生物を追い詰めていると言えるかもしれません。

 今回公開するのは、今シーズンの繁殖には参加しないオス1羽です。

 なお、当面のあいだ公開時間は10時~12時に制限し、動物の健康管理のため予告なしに公開を一時中止することもあります。ご了承ください。
 観覧にあたっては展示舎内でお静かにしていただくこと、ガラス面を叩いたりライチョウの前で大きな動きをしないこと、また、写真撮影の場合は必ずフラッシュや補助光をオフにしていただくようお願いいたします。ボランティアによるライチョウ解説もただいま準備中です。

 日本産ライチョウの公開は上野動物園だけではなく、富山市ファミリーパーク、大町山岳博物館、那須どうぶつ王国、いしかわ動物園でもおこないます。
 また、乗鞍岳や富山県立山ではハイキングコースでライチョウと遭遇することもあるかもしれません。生息地の地元では昔から「神の鳥」として大切にされていたライチョウは人間を恐れることはありませんでした。写真を撮るため追いかけたりせず、そっと見守ってください。そして人間が無造作に捨てたゴミがライチョウの減少につながっていることを思い出してください。

 ひとりでも多くの方にライチョウのことを知ってもらい、私たち自身がライチョウのために何をすればいいのか考えていただければと思います。


展示する日本産ライチョウ(オス)

◎「上野動物園のライチョウ保護への取組み」
第1回「ライチョウとはどんな鳥か」
第2回「日本のライチョウとスバールバルライチョウ」
第3回「なぜライチョウは減っているのか」
第4回「日本のライチョウを守るために」
第5回「上野動物園でのこころみ」
・第6回(本記事)

◎関連記事
ニホンライチョウを公開します(2019年2月1日)

(2019年03月11日)


ページトップへ