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「世界ゾウの日」に関連したイベントを実施しました!
 └─ 2018/09/01

 上野動物園では、今年も8月10日から16日まで夜間開園「真夏の夜の動物園」を開催し、大勢の方にご来園いただきました。期間中の多くのイベントのひとつに、「世界ゾウの日」があります。

 「世界ゾウの日」とは、今から6年前の2012年8月12日に、カナダの映画監督Patricia Sims氏とタイの保護団体(Elephant Reintroduction Foundation)により設立された、世界中でゾウの保護を呼びかける日です。上野動物園もこれに賛同し、2年前の2016年から夜間開園に合わせて、ゾウについて知ってもらうためのさまざまな催しを実施してきました。

 ここでは、今年の取組みについて紹介します。

1.「世界ゾウの日」を知ってもらう!

 ゾウといえば長い鼻、大きな耳、とすぐに連想できるほど私たちに身近な存在となっていますが、野生では絶滅の危機に瀕していることを知っていますか? ゾウが野生下で置かれている現状を伝えるため、上野動物園でおこなっている取組みなどを記載したチラシを作成し、夜間開園の期間中来園者に配布しました。

 また、これに合わせて「世界ゾウの日アクリルキーホルダー」を新規に作成し、期間限定で販売しました。ギフトショップでは他にもゾウグッズを取り揃えて特設コーナーを展開。フードショップでは、当園で飼育しているアジアゾウのふるさとであるインド・タイ風の飲食メニューを売店で販売し、園内各所でゾウの日を盛り上げるための取組みをおこないました。

 知ってもらう取組みは来園者対象に限りません。動物園には飼育係以外にも多くの職員が働いています。ゾウの飼育担当班から、他の職員に向けた見学と解説も実施しました。参加した職員はよく知らなかったこと、疑問だったことが解消され、理解が深まりました。


2.飼育係の特別トーク!

 世界ゾウの日にあたる8月12日には、「象のUNKO★elephant paper」の中村亜矢子さんをゲストにお呼びして、当園のアジアゾウ飼育担当者とトークイベントを開催しました。


 ゾウのうんこから紙をつくり、ゾウの保護を訴える中村さんのお話に、子どもたちも興味津々のようすでした。

 トークのアンケートにお答えいただいた方には、上野動物園で飼育している4頭のアジアゾウのうんこからつくられた栞をプレゼント! もしかしたら嫌がる方もいるかな? と少し心配していたのですが、とても喜んでいただけました。


3.ゾウはかせになろう!

 ゾウ舎前で8月10日、14日、16日におこなったイベント「ゾウはかせになろう」では、ゾウのえさや標本を用意し、飼育係と動物解説員がゾウについての解説をおこないました。


 3日間で約3,000人もの方にご参加いただき、「へぇ!」「そうなんだ!」という声があちこちから聞こえてきました。

 また、このイベントではこのようなパネルもつくりました。


 「ゾウを守るために、あなたは何をする?」と書かれたパネルに、参加者の方から“決意表明”としてシールをひとり1枚貼ってもらいました(青:10日、黄:14日、赤:16日)。

 私たちの身近な取組みが、ゾウの生息地を守ることにつながります。たとえば「紙」。原料は木材なので、紙を使うほど木材が必要になり、ゾウの生息地である森林が破壊されてしまいます。紙をムダづかいしない! ひとりひとりがそう考え、少しずつ使用する量を減らすだけでも、多くの人がおこなえば多くの木材を節約することになります。

 紙は「FSC認証」マークがついた商品を選ぶことでも保全につながります(参考:FSCジャパン)。このマークは、適切に管理された森林資源を使用している木材製品に対して付与されるもので、環境にやさしい紙であることの証です。今回作成したチラシも、このFSC認証を受けた紙を使用しています。

 このように、世界ゾウの日のイベントは「真夏の夜の動物園」の各所で展開しました。少しでもみなさんの目に触れ、ゾウについて知ってもらうことができていたら大成功です。

 ゾウの未来のために、一緒に考えてみませんか?

(2018年09月1日)


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