ニュース
5月12日にオスのアメリカバイソンが誕生しました!
 └─ 2018/07/18

 上野動物園では1933年からアメリカバイソンを飼育しています。2013年にオスのグンマが死亡してからバイソンの展示はしばらく中止していましたが、2018年3月に千葉市動物公園からメスのバイソンの親子、ヒート(17歳)とラテ(1歳)が来園し、展示を再開しました(来園のお知らせはこちら)。

 上野に来園した時点で既にヒートは妊娠しており、来園からおよそ2ヵ月後の2018年5月12日に、オス1頭を出産しました。生まれた子は、姉のラテにちなんで「オーレ」と命名しました。 

 出産直後、オーレは起立することができませんでした。立ち上がれるように床面にワラや乾草をたくさん敷き詰めると、母親の起立を促す行動に答えるように、自力で立ち上がれるようになりました。起立後は授乳も確認でき、数日後には元気に走りまわれるようになりました。

産まれた直後のオーレと母親のヒート
授乳中のオーレ

 オーレは生まれて数日間は頻繁に乳を吸っていました。その後徐々に乳を吸う間隔が伸び、生後2週間後には青草を食べる姿も確認できました。初めはヒートの真似をして、恐る恐る青草を口にしていましたが、今では口からはみ出るほどの量の青草をほおばって食べています。


青草を食べるオーレとヒート

 バイソンは群れで生活する動物です。親子と姉のラテを同居できるように、出産後から隣室で柵越しにお見合いを始めました。産後10日目からは放飼場で同居を開始しましたが、最初はオーレがラテを怖がり逃げまわっていました。ラテはオーレを確認したくて近寄り、それを止めに入る母親のヒートが威嚇し、3頭が放飼場を走り回り、なかなか落ち着きませんでした。毎日少しずつ一緒にする時間を増やしていくうちに、オーレは徐々にラテを怖がらなくなりました。現在では放飼場で3頭そろって穏やかに過ごしています。

 バイソンのオスはメスよりも大きく育ち、最大で体長3m近くにもなります。母親のヒートや姉のラテよりも大きく育つ日が今から楽しみです。

〔上野動物園東園飼育展示係 木村美樹〕

(2018年07月18日)


ページトップへ