ニュース
ライチョウのヒナが2羽死亡しました
 └─2017/07/18

 上野動物園では、絶滅危惧種で国の特別天然記念物である日本産ライチョウを飼育していますが、大町山岳博物館(長野県大町市)から移送された卵から2017年7月14日に孵化した3羽のうち2羽が、7月17日及び18日に死亡したことを確認しました。

1.死亡した個体
(1)
① ひな番号   No.O-07(性別不明)
② 死亡確認日時 2017年7月17日(月) 18時37分
③ 日齢     生後4日(孵化日時:2017年7月14日)
④ 死亡時体重  18.3g
⑤ 死因     衰弱
⑥ 経緯
 7月17日の朝から落ち着きなく動きまわる行動が見られましたが、採食も確認でき、体重も増加していました。18時20分にようすを観察したところ、仰向けで脚を伸ばし倒れているのを確認し、回復に向けた処置をとったものの、18時37分に死亡を確認しました。

(2)
① ひな番号   No.O-05(性別不明)
② 死亡確認日時 2017年7月18日(火) 2時40分
③ 日齢     生後5日(孵化日時:2017年7月14日)
④ 死亡時体重  17.2g
⑤ 死因     衰弱
⑥ 経緯
 7月17日の朝には体重が増加しており、日中も特に異変は見られませんでしたが、18日朝に死亡していたことを職員が確認しました。録画ビデオで確認したところ、18日の2時37分に急に仰向けに倒れた後、2時40分に動かなくなっていたことを確認しました。

※今後、病理組織検査などを実施し、詳細な死因について検討をおこないます。

2.ライチョウの飼育状況(2017年7月18日現在)
 飼育数  8羽(成鳥オス3・メス1、幼鳥メス3、不明1)
 飼育場所 東園ライチョウ孵化育雛施設(非公開)
 室内温度 約20℃
 えさ   ニワトリ(ヒナ)用エサ・ウサギモルモットペレットを粉砕したもの、タデ科植物
 状況   幼鳥を育てるための育雛箱の中で複数羽ずつ一緒に飼育している

3.今年のライチョウ繁殖の取組み
 5月1日       当園でオスNo.2とメスNo.3の見合いを開始
 5月19日      メスNo.3に発情兆候が確認されたため、オスNo.2と同居し交尾を確認
 5月23日~7月5日  メスNo.3が22個の卵を産卵
 5月29日~6月22日 当園のペアが産卵した計17の卵を順次孵卵器に収容
 6月15日      当園で産卵された卵のうち3個を大町山岳博物館へ移送
 6月21日      大町で上野から移送した卵から2羽が孵化
 6月22日      当園で産卵された卵のうち2個をいしかわ動物園へ移送
           富山市ファミリーパークで産卵された卵3個を当園に移送
 6月27日      当園のペアが産卵した卵から2羽孵化
           富山市ファミリーパークから移送された卵から1羽の孵化を確認
 6月28日      当園で産卵された卵のうち5個を那須どうぶつ王国へ移送
 7月7日       大町山岳博物館で産卵された卵3個を当園に移送
 7月8日       当園で産卵された卵のうち2個をいしかわ動物園へ移送
 7月14日      大町山岳博物館から移送された卵から3羽の孵化を確認
 7月17日      7月14日に孵化したヒナのうち1羽(No.O-07)が死亡
 7月18日      7月14日に孵化したヒナのうち2羽目(No.O-05)が死亡


死亡したライチョウのひな(左:O-07 右:O-05)
(撮影日時:2017年7月14日)


◎関連ニュース
ライチョウが産卵しました(2017年05月24日)
飼育下で生まれたライチョウが産卵。卵を長野県大町山岳博物館に移動(2017年06月14日)
日本産ライチョウが孵化しました(2017年06月28日)
大町から上野に運ばれたライチョウの卵が孵化!(2017年07月14日)

(2017年07月18日)


ページトップへ