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ミナミコアリクイの繁殖に向けて
 └─2017/01/20

 黒いベストを着たような模様が特徴的なミナミコアリクイ。その容姿とユニークな動きから、上野動物園東園にある「バードハウス」ではひそかな人気者になっています。


 上野動物園ではこれまで2回繁殖したことがありますが、お母さんの「アイ」が2015年に死亡し、残されたお父さん「ココ」は繁殖の機会がなく過ごしていました。

 ココは国内最高齢ですがまだまだ若々しく、活発に動きながら日々を過ごしています。そんなココに期待して、待望のお嫁さんが高知県立のいち動物公園より来園しました。名前は「ナツ」、2013年8月生まれです。ミナミコアリクイの特徴である黒いベスト模様がはっきりとしていて、美しい毛並みをしています。

 国内の動物園ではミナミコアリクイの飼育数が減少しており、2015年には日本動物園水族館協会の登録種(積極的に種の保存に取り組む種)になりました。繁殖のための計画的な移動がおこなわれるようになり、ナツの来園が決まりました。

 2016年9月に来園してから約1か月間、ナツは非展示の飼育室や、ココの隣の展示場で徐々に環境に慣れていきました。そして10月下旬にはココと同居。初めて同居したときは、ココがナツのにおいを確認しようと近づいたのでナツが威嚇し、取っ組み合いの状態になりました。

 その後、同居の経験を重ねても、どちらともなく手が出て組み合ってしまいます。レスリングのユニフォームを着たような毛色をしているせいもあり、そのようすはとても滑稽なのですが、私たち飼育係は気が気ではありません。


 樹上性であるコアリクイはとてもするどい爪をもっているため、ケガの危険があります。収拾がつかず強制的に引き離すこともありますが、最近ではいっしょにえさを食べるなど、落ち着いて過ごす時間が増えてきました。繁殖に向けてなかよく過ごしてほしいものです。

 同居の時間帯に遭遇したら、2頭の「バトル」が見られるかもしれません。かわいらしいバトルですが、そっと見守ってください。

〔上野動物園東園飼育展示係 小川美紀〕

(2017年01月20日)


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