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2015年12月に生まれたアイアイ「マフィー」の近況
 └─2016/04/29

※2016年5月13日追記──母親の行動も少し落ち着いてきたため、再公開しました。

 こちらのニュースでお知らせしたとおり、上野動物園の西園にある「アイアイのすむ森」では2015年12月13日、アイアイのオス「マフィー」が生まれました。

 母親「ティーア」は初産のため、まだ神経質なようすを見せることがあります。そこで健康管理のため、現在親子は公開を中止していますが、マフィーは元気に成長しています。

2016年1月15日
2016年2月25日

 母親ティーアは出産後、1か月近く巣箱の中で子どもと過ごし、順調に子育てをしてきました。ところが、生後2か月に入って子どもが自力で巣箱から出てくるようになると、気になる行動が見られるようになりました。

 飼育室内の巣箱のまわりや周囲に置いた枝には、子が落下して硬いところにぶつからないよう麻袋を張ってあります。これまでアイアイの母親は、子が麻袋の上に落ちたりすると、口にくわえてすぐ巣箱に連れ戻すのがふつうでしたが、ティーアの場合、そばに駆けつけて手でかかえるような行動は見せるものの、くわえずに離してしまいます。

 初めてで慣れていないからだろうと最初のうちは思っていたのですが、母親は何度やっても子をうまく戻すことができず、最終的に係員が子どもを巣箱近くに戻してやると母親はあわてて巣箱に戻り、中から手を出して引き入れていました。

 その後も、子をくわえられるようにはなっていません。原因は不明です。歯や口の病気なども考えられますが、今のところ外見の異常は見あたらず、また、子どもの体重は着実に増えているので無理に検査などはせず、子育てを優先させ、母親が子を巣箱に戻せないときは係員が介助してきました。子の活動範囲が広がるにつれ、床に降りたものの枝に登れず、長時間床を歩き回ってしまうこともありましたが、3月になると、床に降りても自力で巣箱まで戻れるようになり、今では自由に部屋の中を動き回れるようになりました。

 これまでアイアイの子どもにはマダガスカル語の名前をつけてきました。今回もいくつか候補を考えましたが、何度も巣箱を目指して枝を登ろうと頑張る子のようすを見ているうちに、「強い」「タフな」を意味するMafy(マフィー)という言葉がぴったりだと思うようになりました。

【動画:ライチを食べるアイアイ「マフィー」(約40秒)】

 マフィーは3月の終わりから親の食べ物に興味を示し始めました。動画では、一人前に指まで使ってライチの実を食べています。とはいえ、ナッツなど、おとなと同じメニューを食べられるようになるまでにまだ1年ほどかかるので、今後も名前のとおり、たくましく育ってくれることを願っています。

〔上野動物園西園飼育展示係 中村壮登〕

(2016年04月29日)
(2016年05月13日)


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