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ジャイアントパンダの近況(2月8日)
 └─2016/02/08

 こちらの記事でお伝えしたとおり、ジャイアントパンダの「シンシン」(メス)に発情の兆候が見られたため、「リーリー」(オス)との同居に向けて、2016年2月4日(木)から公開を中止しました。

◎上野動物園でのジャイアントパンダの繁殖
 一般的にジャイアントパンダの繁殖期は年1回、2月から5月に訪れます。しかしこの間、メスの妊娠の可能性が高まるのは数日だけ。上野動物園では、交配にふさわしいを見きわめて2頭を同居させ、自然繁殖を目指しています。
 今年(2016年)は、なんらかの理由で同居させられなかったり、同居後に交尾が見られなかったりした場合、人工授精も検討しています。


写真1 地面の上で転がるリーリー

◎発情期に見られる変化
 発情が訪れると、オスもメスも活動量が増えます。地面の上で転がったり(写真1)、体を木や地面などにこすりつけて自分のにおいをつけたり(マーキング、写真2と3)、「恋鳴き」と呼ばれる発情期特有の鳴き声をあげたり、水に体をつけたり、特徴的な行動が見られるようになります。食欲が減少する場合もあります。また、外見的な体の変化や、ホルモン分泌量の変化も現れます。

写真2 地面の上でにおいつけをするリーリー
写真3 木の上でにおいつけをするリーリー

◎今年の繁殖期の2頭の状態
 リーリーは1月上旬からシンシンのにおいに興味を示す行動を頻繁に見せ、シンシンの放飼場の隣のエリアから柵ごしにシンシンを見つめたり、柵に沿って行ったり来たりする行動がよく見られています。
 シンシンは2月に入ってから、足など体の一部をプールにつけたり、発情期特有の行動がたびたび見られるようになりました。発情兆候の一つである尿中のホルモン代謝物の数値にも変化が見られます。

◎柵ごしのお見合い
 2頭の反応を見るため、2016年2月5日から1日に数回、1回に10分程度、柵ごしにお見合いをさせています。お見合いのタイミングは、ジャイアントパンダの行動を観察し、判断します。

◎今後について
 シンシンの発情状況はだんだんと進んでいますが、発情のピークがいず訪れるか、明確な予測はできません。そのため、2頭の行動を注意深く観察し、いつ同居のタイミングが訪れてもすぐに対応できるよう態勢を整えています。

 交尾が見られたり、人工授精をおこなったりした場合には、すみやかにお知らせいたします。あたたかく見守っていただければ幸いです。

(2016年02月08日)



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