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長い歴史の幕を閉じた「キジ・ハト舎」
 └─2016/01/22

 上野動物園では2015年12月21日、ジャイアントパンダ舎の横にある「キジ・ハト舎」(以下、旧キジ・ハト舎)で飼育していた鳥たちを、園内の別の動物舎に移しました。東園の施設整備にともない、旧キジ・ハト舎が使用できなくなったためです。

 これにより、旧キジ・ハト舎は42年の歴史に幕を閉じることになりました。パンダ舎の隣にひっそりと建っていて、少し目立ちづらい動物舎だったかもしれませんが、これまで日本の国鳥であるニホンキジ、みごとな翼を広げてディスプレイするマクジャクやパラワンコクジャク、鮮やかな羽の色をしたニジキジやベニジュケイ、よく響く鳴き声が印象的なセイランなど、さまざまなキジ類やハト類を飼育し、多くの方々の目や耳を楽しませてきた施設でもありました。

カワウソ舎隣にできたキジ舎
ヤブツカツクリの脚環を付け直す

 移動当日は、朝9時から移動作業をスタートさせました。まず、キジやハトたちの捕獲から始まり、その後は個体識別のため、装着している脚環を1羽ずつ確認していきました。それから体重を測り、それぞれの新居へと運び込み、その日の午前中に26羽全羽の引越しが完了しました。

 新しい部屋に移された鳥たちは、初めは落ち着かないようすで走り回ったり飛び回っていましたが、すぐに木製のブランコに乗って遊んだり、止まり木の使い心地を確認したり、植物をつついてみたり、新居をじっくりと見さだめながら、徐々に落ち着きを見せ始めました。数時間後には、ほとんどの鳥が落ち着いてえさを食べ始めたことを確認しました。

 旧キジ・ハト舎で飼育していた鳥のうち、ヤブツカツクリ、ニホンキジ、キジバト、アカガシラカラスバト、シラコバト、コシアカキジ、セイラン、ハゲガオホウカンチョウは今後も引き続き東園のカワウソ舎のとなりでご覧になれます。

 コサンケイ、パラワンコクジャクはそれぞれ東園のゴリラ・トラのすむ森、バードケージで見られます。また、カラスバト、ベニジュケイは非公開施設に移しましたので、現在はご覧になれません。

〔上野動物園東園飼育展示係 阿部展子〕

(2016年01月22日)


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