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ヘビ水槽に水辺! ヒバカリ水槽リニューアル
 └─2015/10/23

 上野動物園の両生爬虫類館内のヒバカリ展示水槽をリニューアルしました。ヒバカリは本州や九州、四国などに生息する体長は40〜60センチの小型ヘビです。毒はもっていません。


 性格はおとなしく、細い体に対して目が大きいので、とても愛くるしい顔つきです。小魚やカエル、オタマジャクシなどを好んで食べるので、野生では水辺の近くをすみかにしており、初夏の田んぼや池などでは、水面を眺めて獲物を物色している姿を見かけます。

 今までの展示水槽は陸地をメインに作られていたので水辺がなく、ヒバカリは湿り気のある物陰に潜んでいることがしばしばありました。また、えさは水をはった皿に入れていたので、一瞬で平らげていました。

 けっして広くはない飼育スペースですが、やはり彼らが好んで住んでいる環境に近づけたい、ヒバカリにもハンティングをしてもらいたい、そしてその光景をみなさんにも見ていただきたい──そんな思いから、今回の水槽リニューアルにいたりました。


 新水槽は、水辺と陸地を混在させた「アクアテラリウム」へと大改良をおこないました。水槽底部には砂利を敷き詰め、コルクを使って陸地を作成し、コケなどを敷いて自然を模しています。

 新水槽に引っ越したヒバカリは水辺に興味津々です。全身はしっとりと濡れ、水中に泳ぐ小魚をじっと見つめるその目はハンターのようです。ただし、深い水深にまだ慣れていないためか、うまく魚を捕らえられていないようですが、きっとこれから上達してくれることでしょう。

 ときおり物陰に体を隠して頭だけ出しているときもありますが、魚を捕まえるようすを目の前で見られる日も近いかもしれません。

〔上野動物園は虫類館飼育展示係 坂部あい〕

(2015年10月23日)


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