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ガラパゴスゾウガメ「カメ吉」の食生活改善大作戦・経過報告
 └─2015/01/23

 以前こちらのニュースで、ガラパゴスゾウガメ「カメ吉」の食生活改善大作戦のようすをお伝えしました。カメ吉の偏食を改善し、いつまでも健康に過ごしてもらうため、現在も奮闘しています。今回はその途中経過をお知らせします。


体重測定中のカメ吉

 キャベツには目もくれないカメ吉の大好物が紫キャベツだと判明した後も、飼料室職員だけでなく、さまざまな野菜をえさに利用しているゴリラ担当職員や、数種類の乾草を使い分けて動物に与えている子ども動物園の職員の協力も得て、2014年10月から12月まで、さまざまなえさを試しました──白クローバー、白菜、水菜、チンゲンサイ、レタス、サニーレタス、トマト、稲ワラ、バミューダ乾草、チモシー乾草、カブの葉、大根の葉など。

 意外にも反応がよく、またしても「よしっ」と思わずガッツポーズしたのは白菜です。白菜は色も鮮やかではなく、あまり期待もせず軽い気持ちでカメ吉に与えてみたところ、「ガツガツ食べる」という表現がぴったりなほどものすごい勢いで食べました。

 逆に、期待通りにいかなかったのがサニーレタスです。葉先が紫色をしているサニーレタスですが、カメ吉のお気に召さなかったようで、あまりよい反応は得られませんでした。しかも、ふつうのレタスの方がよく食べたという後日談も。恥ずかしながら、カメ吉の好みがわかりきったとはまだまだ言えない担当者です。

 11月中旬からイネ科の牧草をこれまでよりも食べてくれるようになりました。気候の変化からなのか、それとも牧草の味や匂いが変化したからなのか、今のところはっきりとした理由はわかりません。食べる量にムラもありますが、果物しか食べない日もあったカメ吉にとっては大きな変化です。

 食生活の改善によって、カメ吉の体にもいくつかの変化が見られるようになりました。これまでフンがあまり出ず、出たとしてもとても柔らかい状態のものが多かったのですが、近頃は繊維質の多いフンがほぼ毎日出るようになりました。

 そして、この20年もの間、ほぼ横ばいだった体重が、12月の測定では 1.5キロの増加が見られました。間もなく次の体重測定を予定しています。数値がどうなっているか、担当者も今からドキドキしています。

 ──ですが、いちばん重要なのは「焦らない、急がない」ことだと考えています。引き続き、カメ吉の体調を見ながら、ゆっくり少しずつよい方向に向かうよう工夫していこうと思っています。

〔上野動物園両生は虫類飼育展示係 川崎繭〕

(2015年01月23日)


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