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トラ舎の施設改修終了
 └─2013/07/05

 上野動物園「トラの住む森」では、スマトラトラ、インドライオン、コサンケイを展示していますが、トラ用放飼場の施設改良工事に伴い一部展示を中止していました。

 今回の工事の目的は、震災対策および動物の脱出防止対策です。万が一大きな震災が起きて放飼場内で木が倒れたりすると、その木を登って動物が脱出する危険性があるため、放飼場全体をネットで覆いました。もともと放飼場は高い塀に囲まれ、周りには電気柵がありました。しかし、停電で電気柵が使用不可能になることも考えなければなりません。そこで今回、より安全な施設へ改良しました。

 今後、インドライオン、ニシローランドゴリラの放飼場にも同様の工事をおこない、改良を加えていく予定です。

 工事中はライオンの放飼場に、スマトラトラとインドライオンを日替わりで展示していました。その間トラ、ライオンをごらんになれなかった方々もいらっしゃったかと思いますが、2013年7月2日から通常の展示に戻り、トラもライオンもともにみなさんをお待ちしています。

 トラの住む森で飼育しているスマトラトラ、インドライオン、コサンケイは絶滅が危惧されています。この動物たちは、見境のない密猟や開発などで生息地を追われ、野生にごく少数のみが生息しています。現在でも、一部の心無い人間の密猟が絶えません。動物園ができることは、動物を飼育展示することでみなさんに関心をもっていただき、動物たちの保護に繋げることです。展示再開したトラの住む森に、ぜひお越しください。

写真:放飼場の上を覆ったネット

〔上野動物園東園飼育展示係 川上壮太郎〕

(2013年07月05日)



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