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ヒツジの赤ちゃん誕生!
 └─2012/04/06

 上野動物園こども動物園に新たな命が誕生しました。コリデールという種類のヒツジの赤ちゃんで、体重3300グラムで生まれました。赤ちゃんの母親は、2011年12月に埼玉こども動物自然公園から来園した、2009年生まれのアリスです。

 来園したときから「妊娠しているかもしれない」「12月〜2月に産むかもしれない」という話は出ていましたが、何度か体重を測ってみても著しい変化は見られず、また、おっぱいの張りを観察しても、あのモコモコの体では、妊娠を確信をすることがなかなかできませんでした。

 そこで、2012年2月15日に動物病院で超音波検査をおこなったところ、お腹の中でモニョモニョと動いている赤ちゃんの心臓を確認! アリスは立派な妊婦さんだということが判明した瞬間です。

 そして3月9日朝、アリスのようすを見に行くと、もうすでに「ぶええ〜」と鳴くほど元気な赤ちゃんヒツジがアリスの横に座っていました。あまりに自然な光景だったので、思わず二度見してしまったほどです。赤ちゃんヒツジはしっかりと立ちあがり、担当者の前でアリス母さんのおっぱいを飲み始めました。

 赤ちゃんの性別はメスと判明し、名前を「オーロラ」とつけました。生まれたとき約3キロだった体重も、3月末現在では7キロを超えました。

 母親のアリスは、産後数日間は熱が出たりしましたが、今ではすっかり回復し、子育てを頑張っています。母乳で育っているためか、ものすごい食欲で、「もっと美味しい草よこせ」と言わんばかりによく鳴き、担当者を見つけると駆け寄ってきます。今はまだ気温が安定しないので親子は室内でともに過ごしています。近々なかよし広場でみなさんにお披露目できる日が楽しみです。

 初めてにも関わらず自らの力で出産という大仕事を成し遂げ、凛とした佇まいで子に母乳を飲ませていたアリス──その姿を見て筆者自身の出産経験を思い出し、完敗だ、と感じました。あらためて、動物のたくましさや強さに脱帽です。

写真上:アリス親子
写真下:子のオーロラ

〔上野動物園子ども動物園係 川崎繭〕

(2012年04月06日)



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