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ゼニガタアザラシを公開しました
 └─2012/01/06

 上野動物園では、2011年10月28日にオープンした新施設「ホッキョクグマとアザラシの海」で12月16日からゼニガタアザラシを公開しました。

 ゼニガタアザラシは、日本では北海道の一部で見ることのできる種類のアザラシです。暑さが苦手なので、涼しくなってから移動し、検疫にも時間がかかったため公開が遅くなってしまいました。このゼニガタアザラシは、北海道のおたる水族館からやってきたオスの個体で、名前は「キャンディ」といいます。

 動物園にやってきたのは2011年11月2日の夕方です。来園したときは、さすがに緊張したようすでしたが、次の日にはホッケを3キログラムぺろりと平らげました。

 来園当初はおたる水族館と同じホッケとスケソウダラを与えましたが、上野動物園では主にアジを使用しているため、徐々に切り替えていきました。初めはアジに見向きもしなかったので、皮をむいてみたり、切り身にしてみたり、ゼイゴをとってみたりといろいろくふうしました。結局ホッケやスケソウダラの量を減らし空腹状態になったところで食べる気になったようです。今ではアジ5〜6キログラムを毎日食べています。

 検疫中は狭い場所で泳ぐこともできなかったので、検疫明けの12月16日にプールに出したときは、扉が開いてすぐに自分からプールへ移動し、広いプールでのびのびと泳ぎ始めました。最初のうちはプールを半分に仕切り、アシカと接触できないようにしていたので、キャンディとアシカたちは首を伸ばして、お互いに隣を気にしているようでした。

 その後12月29日に仕切りを外しました。キャンディもアシカたちもお互い近づこうとはしませんでしたが、緊張で固まって動くことのできないキャンディに、アシカの子どもだけはちょっかいを出しに行っていました。そんなキャンディでしたが、夕方にはトンネルを超えてホッキョクグマ側で泳いでいる姿を見せました。

 まだまだお互い探り合い中で距離が離れていますが、アシカとアザラシの泳ぎ方や体のつくりなど比較したり、お互いの関係を観察したりすると面白いかもしれません。

・東京ズーネットBB「ゼニガタアザラシ」の動画

〔上野動物園東園飼育展示係 齋藤圭史〕

(2012年01月06日)



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