2011年10月28日に上野動物園の「ホッキョクグマとアザラシの海」がオープンしましたが、クマが快適にすごすには不便な箇所が見つかり、プールのある大きなホッキョクグマ放飼場を改修しています。そのため、2011年12月28日まで、オスの「ユキオ」は小さい方の放飼場でごらんいただいています。
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中央に草が広く植えられたこの小放飼場は、夏の北極圏をイメージしてつくられ、ガラス越しに目の前でクマのようすを見られるのが特徴です。
オープン後ずっと大きな放飼場にいたユキオを、小放飼場に出すのは初めてのことでした。放飼場に出たユキオは、放飼場内を一通り確認した後、おもむろに草の上に寝そべり、ゴロゴロと回転しながら背中や頭を地面になすりつける動作を始めました。
ユキオにはこれまでなじみのなかった土や草ですが、感触が意外に心地よかったのでしょうか、仰向けのまま、力いっぱい背中をすりつけ続けていました。こういった動作は野生のホッキョクグマも夏場によく見せるようです。真っ白だったユキオの体は、どんどん土や草の色に変って汚れてしまいました。
その後、草をくわえて引き抜いたり、そのまま食べたり、楽しんでいるように見えました。小放飼場は冬に備えて草刈りをしていなかったので、草がたくさん生えていたのですが、あっというまに押しつぶされて平たくなってしまいました。でも、ここをかなり気に入ってくれたようで安心しています。草も意外に好きなようで、糞にも草が混じるようになりました。
ただ、小放飼場には大きなプールがないため、工事期間中、クマの泳ぐ姿を見ていただけないのが残念です。工事完了後、新年にはユキオをプールのある放飼場に出す予定です。しばらくお待ちください。
・東京ズーネットBBの動画から
「『ホッキョクグマとアザラシの海』[1]ホッキョクグマ」 (2011年10月撮影)
〔上野動物園東園飼育展示係 乙津和歌〕
(2011年12月23日)