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ヒガシクロサイ「ミミカ」の嫁入り
 └─2011/11/11

 2011年11月7日、上野動物園のヒガシクロサイ「ミミカ」が、和歌山県のアドベンチャーワールドへ旅立ちました。繁殖を目的としての移動で、ミミカにとってはお嫁入りです。

 ミミカは2009年4月20日生まれで、上野動物園ではヒガシクロサイの繁殖個体第1号です。

 野生では単独行動をするヒガシクロサイですが、小さいときは母親とともに行動します。ミミカと母親のアルゴは常に一緒に過ごしていましたが、ミミカが成長するにつれてアルゴが展示場から寝室に入る順番にこだわるようになり、子どもと少し距離を置くようになりました。親子関係に小さな変化が現れたことを機に、親子分け準備を始めました。

 親子分けはサイたちに負担が少ない方法を選んだので、完全に分離できたのは今年9月、準備から約10か月の時間を要しました。体が大きく迫力のあるヒガシクロサイですが、環境の小さな変化にも敏感で、親子でお互いを呼び合うときはその体格から想像もつかないほど高くて可愛らしい声を出して鳴きます。親子分けの練習中はとくに鳴くことが多く、展示場で耳にした方も多いのではないかと思います。
 親子分けを時間をかけ慎重に進めてきた甲斐があり、次の輸送箱へ慣らす作業もスムーズにおこなえました。

 ミミカの展示最後の日となった11月6日には、ミミカの部屋の前にたくさんの方が訪れ、改めてミミカがみなさんに愛されていることを実感し、担当者として大変嬉しく思いました。来園者の方々に書いていただいたミミカへのメッセージカードは、ミミカと一緒にアドベンチャーワールドに贈りました。

 好奇心旺盛でおおらかな性格のミミカは、上野動物園でたくさんの来園者に愛されたようにアドベンチャーワールドでも人気者になれると思います。そしてアドベンチャーワールドのオスサイ「クラッグ」とも相性がよく、いつか可愛い子を産んでくれることを期待しています。ミミカを応援してくださったみなさん、ありがとうございました。

・東京ズーネットBB動画「ヒガシクロサイ『ミミカ』元気です」(2009年9月)

写真上:放飼場のミミカ
写真中:輸送箱に収容
写真下:輸送箱をトラックに積み込む

〔上野動物園西園飼育展示係 山岸まゆみ〕

(2011年11月11日)



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