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ベニイロフラミンゴの繁殖
 └─2010/10/15

 2008年から繁殖を再開した上野動物園のフラミンゴたちですが、2010年はなんと4羽のひなが誕生しました。

 フラミンゴのひなは白い綿羽におおわれ、くちばしはまっすぐ。親と比べると大きさもかなり小さく、ぱっと見た感じはアヒルの子どものように見えます。しかし成長は早く、あっという間にこうした姿は終わってしまいます。先に孵化した2羽(8月25日生まれ、9月3日生まれ)はすでに姿は小さなフラミンゴとなり、白い綿羽は徐々に灰色の羽に生え変わりつつあります。

 4羽はすべて親フラミンゴに育てられていますが、親によって育て方はさまざまです。たとえばひなが1羽でいるとき、ひなが鳴いてもあまり気にせず餌を食べ続ける親もいれば、ひなが鳴けばすぐかけつける親もいます。また、父親にひなを任せっぱなしにして、フラフラ出かけてばかりの母親もいれば、両親そろってひなのそばから離れない親もいます(ただ、昨年から見ていて、父親の方が育児に熱心な場合が多いように思います、すばらしい……)。

 フラミンゴのひなは、ひな同士でかたまってクレイシと呼ばれる保育所のようなものをつくります。今年は念願かなって複数のひなが誕生したので、クレイシが見られるのを楽しみにしていたのですが、ひなたちはあまり集まってくれず、気の強いひながほかのひなを追いかけ回すことさえある始末。

 最近になってやっと、ひな同士がなんとなく近くに集まっているかな?と感じられるようになってきました。

 後から孵化した2羽(9月24日生まれ、9月28日生まれ)はまだ白く、ひならしさが残っています。4羽のひなを見ると、フラミンゴの成長がよくわかります。かわいらしいひなたちを見に、ぜひご来園ください。運がよければ、親がひなにフラミンゴミルクを与えているようすも見られるかもしれません。

写真上:親に餌をねだるひな
写真下:なんとなくクレイシ

〔上野動物園西園飼育展示係 高津磨子〕

(2010年10月15日)



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