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フォッサ、放飼場に登場!
 └─2010/02/19

 昨年(2009年)5月に上野動物園にオープンした「アイアイのすむ森」。モノレール駅近くの岸から不忍池にかかる浮き橋をわたると、「レムールの森」エリアに到着します。

 橋から降りてすぐ右手にクロシロエリマキキツネザルがいます。左手にはブラウンキツネザルやワオキツネザルの親子を展示していましたが、今回、ここでフォッサの展示を始めました。

 マダガスカルには肉食獣が8種知られていますが、その中でフォッサは最大種です。頭胴長も尾長も約70センチで、マダガスカルマングース科の動物です。

 フォッサは今まで日本の動物園で飼育されたことはなく、初のお目見えです!

 上野動物園には、2010年1月16日、雌雄1ペアが南アフリカ共和国の飼育施設から来園しました。

 2月13日からオスを公開中です。公開初日は天気が悪く、室内での展示になりましたが、寒さに慣らすため、翌日から毎日数時間は外にも出られるようにしています。

 フォッサはしなやかな身体をもち、細い枝の上も器用に歩きます。ゴムのような弾力に富む肉球を使って、垂直に立った木ものぼります。ジャンプ力も相当なもので、2メートルくらいは軽く飛び跳ねることができます。

 室外に出た直後は、木の根元に抱きつき、おしりにある臭腺をゴシゴシこすりつける姿を見ることができます。

 網を隔てて隣のケージには、ワオキツネザルの親子3頭がいます。当初、ワオキツネザルは警戒音や悲鳴をあげて逃げまわり、フォッサは獲物(?)めがけて網に突進したりぶらさがったりしていました。しかし数時間のうちに、網のおかげでフォッサが来られないことにワオキツネザルも気づいたようで、その後は微妙な緊張関係を保ちながら、平和な生活に戻っています。

 枝上や地上を垂直にも平行にも自由自在に動き回るフォッサの行動は、見ていて飽きません。室内で寝ていることもありますが、午後1時半から2時ごろ、枝上に点々と肉を置いて与えるので、この時間が見どころです。

 なお、ブラウンキツネザルは「アイアイの森」の一番奥に移し、そこにいたクロキツネザルのメスは、フォッサの室内展示室の隣でホウシャガメと同居させています。

〔上野動物園西園飼育展示係 細田孝久〕

(2010年02月19日)



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