上野動物園で昨年(2008年)に生まれたオウサマペンギンのひな「ウララ」(メス)。その換羽がついに始まりました。
ひなの動画はこちら。
寒さから身を守るため、ひなの羽毛は、密に生えています。そして、羽毛と羽毛のあいだに空気をたっぷり含んでいるので、見かけ上、体は大きくふくらんで見え、換羽が始まっても、どこの羽毛が抜けているのよくわかりません。
オウサマペンギンの飼育室である冷房室には屋内プールがあります。先日、ウララがプールから出てきたすがたを見て、思わず「ぷぷっ!」と笑ってしまいました。羽毛で隠れていた、換羽の部分があらわになったのです……。
そのすがたは、お世辞にもかわいらしいとは言えず、むしろ怖いほどでした。そしてプールの水面には、抜け落ちた大量の羽毛がユラユラと漂っていました。
その日以降、ウララが室内のどこにいたのか、すぐわかるようになりました。というのも、ウララの歩いたあとには、抜け落ちた羽毛が大量に落ちているのです。おかげさまで、毎日の掃除がとても大変になりました。
換羽が終了すると、おとなのオウサマペンギンとよく似た「若鳥」へと成長します。ひなのすがたでいられるのもあとわずか、おとなへの一歩を踏み出したのウララに、ぜひ会いにきてください!
〔上野動物園東園飼育展示係 齋藤圭史〕
(2009年05月15日)