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アフリカゾウ「マオ」輸送大作戦(2)──2006/06/16
(このニュースの前半は、こちらのページをごらんください。)

◎盛岡到着

 午前6時、盛岡南出口で降り、盛岡市動物公園には午前7時前に着きましたー! やや心配な局面もありましたが、大きなトラブルはなく、マオは元気なようすです。クレーン車等を使って輸送箱を放飼場側から寝室に向けて置き、午前10時、扉をひもでひっぱって開くと、マオは箱から室内に出て来たり、箱の中に戻ったり。ちょっと戸惑ったようすでしたが、徐々に室内で動き回る範囲をひろげていきます。10時30分、輸送箱とマオを結んでいた鎖をはずし、完全に室内におさまりました。輸送大作戦は、とりあえず完了です!

 しかし、群れで生活していたマオはやはり不安でしょう。ときおり鼻を高くもちあげて、まわりのようすをうかがいながら、室内を歩きつづけます。マオの体力はおそるべきもので、ちょっと休むだけで長時間歩き続けるそうです。

 たろうのすがたは見えませんが、建物が揺れるような、地響きのような重低音が聞こえます。鳴き声だけでなく、体をぶつけるような音も聞こえてきます。たろうの体重は5205キロ。午後3時前には、一部屋あいだにおいて、たろうとマオの顔合わせをしました。巨体のたろうは、見慣れぬ子ゾウに興味を示し、大きな声を出したり、鼻をあげたり。マオは一瞬見つめ返したようですが、すぐもとのように部屋の中をうろうろし、なるべくたろうから離れるようにして歩きまわっていました。この日、同行した多摩の片柳職員は、ゾウ舎に泊まり込みで観察を続けました。

◎期待される花嫁マオ

 翌日6月15日、室内で歩くマオのペースもすこしゆっくりになったようですが、まだまだ緊張しているようです。放飼場に出たたろうは、発情と関係するといわれる側頭腺からの分泌物が見られ、頻尿のようであり、放飼場と室内を隔てる壁のすきまから中をのぞき、マオのようすをしきりに気にしているようすでした。

 放飼場には、「厩栓棒」(ませんぼう)と呼ばれる鋼鉄製の棒があり、動力で上げ下げすることができます。この厩栓棒をはさんで放飼場を二つのエリアにわけ、各エリアに1頭ずつ出す予定ですが、たろうの鼻が隣のエリアに伸びてこないよう、さらにH鋼で補強する計画です。

 ゾウの性成熟は早くて8歳といわれています。たろうは15歳、マオは4歳。年齢差がありますが、ゾウの寿命は長く、繁殖可能年齢も幅があります。妊娠期間が2年近くありますので、出産は早くて6年後。

 マオの公開は7月9日の歓迎式よりも先ですが、到着翌日、来園者の方が「お嫁さんが来たんだって」と話されているのを何度か耳にしました。地元マスコミによる取材も多く、期待は高まっているようです。

 たろう、マオをよろしく!

盛岡市動物公園

生後半年ごろのマオ(東京ズーネットBBの動画)


・2006年2月7日、放飼場につもった雪の上を歩くマオ(東京ズーネット・ニュースと写真)

写真上から:
・マオを輸送箱にお尻から入れる
  (2006年6月13日午後2時頃)
・フォークリフトで輸送箱を15トントラックに積みかえる
  (午後5時30分頃)
・東北道を北上(午後8時30分頃)
・蓮田サービスエリア着(午後8時40分頃)
・盛岡市動物公園着。クレーン車で輸送箱を移動する
  (翌日午前9時頃)
・輸送箱から出たマオ。右は多摩動物公園の片柳職員。
  (午前10時頃)

(2006年6月16日)



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