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サーバルの子ども「コピ」の独り立ち
 └─ 2023/09/29
 多摩動物公園には、2023年10月に生後1年を迎えるサーバルの子どもたちがいます。残念ながら、1月に「コナ」(メス)が死亡してしまいましたが、「コピ」(オス)と「モカ」(メス)は母親の「アキ」と見間違えるくらいの大きさまで成長しました。今回は、コピの独り立ちについてお伝えします。

 生後半年ほど経った今年の4月ごろから、コピがきょうだいのモカにマウント(交尾の姿勢)をとるような姿が見られ始めましたが、遊びの一環のような軽い感じだったため、しばらくようすを見ていました。しかし、ゴールデンウィークがすぎたころ、寝室に設置したビデオカメラで夜間の映像を確認すると、10分ほどのあいだ、コピがモカにマウントをし続けているようすが見られました。

 このままでは、モカやアキと繁殖してしまう可能性があるため、部屋を分けることにしました。突然のきょうだい分け、親子分けでしたが、コピは扉を開放すると警戒しながらも、すぐに移動予定の部屋まで移動しました。その日はそのまま公開しましたが、初めて入った展示場に興味津々で、何事もなかったかのように伸び伸びとすごし、収容もスムーズで、少し警戒しながらもすぐに帰ってきました。ところが、翌日からは運動場に出たきり戻って来なくなってしまったため、しばらく公開を休止して、コピのようすを見ながら、運動場と寝室の出入りの練習をしてきました。

 現在は、1頭ですごす環境にも慣れ、寝室の扉を開けると走って戻ってきます。運動場では、野鳥やヘビ、昆虫を捕まえる姿も見られ、観察していて楽しい個体です。


チョウを狙う「コピ」

 今回、サーバルの子育てを初めて経験しました。前任者によると、サーバルは生後1年ほど経つと、きょうだいや親子どうしで闘争が見られるようになるため、1歳をめどに部屋を分けて1頭で飼育管理をしてきたそうです。コピの親子分けは、生後7か月と今までの子どもたちよりも早く、少し戸惑いましたが、経験者の話や本で読んだことがすべてではなく、個体ごとに向き合っていく大切さを実感しました。

 生後4か月ごろまでは、モカに比べて体が小さく、動きもぎこちない印象がありましたが、現在は、植栽や遊具に華麗に跳び乗り、その面影は少しも感じられません。

 モカについても、これまでアキとの展示を継続してきましたが、この記事が出るころには親子分けの時期を迎えそうです。モカの親子分けはどのようになるのか、ご注目ください。


木の枝で遊ぶ「アキ」(左)と「モカ」(右)

〔多摩動物公園北園飼育展示係 苅部〕

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