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スイギュウの「まる」と「幸吉」──出産に向けて
 └─ 2023/04/21
 多摩動物公園では、「まる」(メス、10歳)と「幸吉」(オス、5歳)の2頭のスイギュウを飼育しています。2頭は、2021年5月に沖縄県八重山郡竹富町(西表島)にある由布島ゆぶじまから来園しました。以前は2頭いっしょに運動場に出していましたが、2022年12月から、午前と午後に分け、交互に1頭ずつ外に出しています。今回はその理由についてお伝えします。

放飼場で青草を食べる「まる」
放飼場で青草を食べる「幸吉」

 スイギュウは、季節に関係なく妊娠・出産することができる「周年繁殖動物」です。オスとメスをいっしょに飼育していると、いつでも妊娠する可能性があります。しかし、多摩動物公園のスイギュウの飼育環境は、必ずしも一年を通して出産に適しているわけではありません。

 2頭の故郷である由布島は、年間平均気温が25℃前後あり、年間を通して温暖な気候です。一方、多摩動物公園のある日野市は、冬になると氷点下を下回る日もあり、母子の健康に影響が出る可能性があります。そのため、由布島と同じくらいの比較的暖かい時期に出産を迎えられるよう、同居させる時期を検討しています。妊娠期間(約300日)から逆算し、2023年7月ごろの同居を予定しています。

 ほかにも、妊娠・出産の準備をおこなっています。

 1つ目はメスのまるの定期的な体重測定です。1ヵ月に1回、体重測定をおこなっています。2023年3月29日の体重測定では558.5kgでした。

 2つ目はエコー検査の練習です。前回の記事で、まるが妊娠したときに備えてエコー検査の練習を始めたとお伝えしましたが、練習は順調に進み、エコー検査をおこなえるようになりました!


エコー検査練習中の「まる」

 まるは由布島で出産経験があります。もし、まるが妊娠しても、良いお母さんになってくれると思います。まるがよりよい環境で安心して出産ができるように、私たち飼育係も準備を進めていきます。

〔多摩動物公園南園飼育展示第1係 眞島〕

(2023年04月21日)



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