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インドサイ「ター」の近況
 └─ 2023/04/09
 多摩動物公園で飼育しているインドサイの「ター」(オス、26歳)は、鳥インフルエンザ発生に伴う休園期間中に左耳の耳介を切除しました。その経緯についてお伝えします。

 2023年1月、ターの左耳が萎れ、冷たくなっていました。血行障害によるものですが、原因はわかりません。獣医師に相談し、投薬治療を続けていましたが、2月になると、耳の先端まで血が通わなくなってしまい、先端から耳の根元まで壊死してしまいました。根元には腫れも見られ、投薬治療による改善が見込めないため、麻酔をかけて手術をおこない、耳介を切除しました。

 手術後は一旦は食欲が落ち、担当者も心配しましたが、3月になると暖かくなってきたことがよかったようです。食欲も増して活発に動くようになりました。

 しかし、左耳の穴は傷口が治る過程でふさがってしまったようで、聴覚がどこまで残っているのかはっきりとはわかりません。残った右耳で周囲の音を聞いているようです。ターは現在も投薬治療や傷口のケアを続けています。

 また、後肢の爪が伸びすぎてしまい、足に痛みを感じているようで、起立する際にふらつきが見られることがあります。爪を切ることができればいいのですが、大きな動物なのでその厚い爪を切るとなると大変な作業です。日々、少しずつ爪を削ったり、放飼場や室内の床にウッドチップを敷き詰めることで足への負担を減らし、症状の改善に努めています。

 ターが少しでも幸せにすごすことができるよう、担当者一同、ターをよく観察し、飼育環境の改善に努めていきます。あたたかく見守っていただけると幸いです。


放飼場ですごすインドサイの「ター」

〔多摩動物公園南園飼育展示第2係 インドサイ担当班〕

(2023年04月09日)



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