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キリン個体識別(中級編)
 └─ 2023/02/24
 2022年5月13日の記事では、4月に担当になった私が初期に覚えた個体を中心に入門編として書かせていただきました。今回はそれに続くかたちで中級編として更に4個体を紹介し、昨年5月から成長して顔つきが変わったジョーとアリスについても報告をしたいと思います。

1.「ジュン」オス、2022年8月当園生まれ、体の大きさ:最小
 昨年の8月に生まれました。母親はユリア、父親はジルで、群れのなかではいちばん小さく、顔が全体的に白いので見つけやすい個体です。


ジュン

2.「ジャック」オス、2018年4月当園生まれ、体の大きさ:大
 背がひょろりと高く足が長いのが特徴です。角が長くて細面なので顔はかなり長く見えます。角の先からふんの先までやや濃いめの茶色です。尾の房毛も長めです。


ジャック

3.「ユウヒ」メス、2020年11月当園生まれ、体の大きさ:やや小さい
 目が小さく額のあたりや鼻筋が黄土色で顔の側面が白いので、有名なクマのぬいぐるみ「ダッフィー」に顔が似ています。後頭部から首のあたりが薄茶色で、角は短めで細いのも特徴です。


ユウヒ

4.「トナ」メス、2019年7月市原ぞうの国生まれ、体の大きさ:中
 2021年9月に市原ぞうの国から当園に来ました。模様の部分の色が薄めで黄色味がかっていて、お腹に皮が余ったようなシワがあります。顔も全体に薄めの色で目が離れていて大きく、角がかなり内向きです。尾の房は長めで、いつもなにか食べているようにペロペロと舌を動かしています。


トナ

 前回紹介した「ジョー」(オス)と「アリス」(メス)は育ち盛りで、以前に比べてかなり顔つきが変わりました。2歳くらいまでは変化が大きいようです。

5.「ジョー」オス、2022年1月当園生まれ、体の大きさ:小
 以前は全体的に白っぽさが目立つ顔つきでしたが、鼻の上辺りに斑点のような模様が出てきて(担当のあいだでは「そばかす顔」と呼んでいます)、左角が少し短くなりました。まだ身体はジュンに次いで小さいです。


ジョー

6.「アリス」メス、2022年3月当園生まれ、体の大きさ:小
 かなり顔の模様部分が濃くなってきて、以前よりも締まった顔つきになりました。ジョーと体格は同じくらいでジュンに次ぐ身体の大きさです。


アリス

 識別の仕方には私の主観も入っていますので、この情報や写真をもとにして網目模様のおもしろいかたちなどを見つけてそれを目印にするのも一つの方法です。これで前回紹介した個体と合わせると10個体を識別できることになります。室内展示スペースも開放になったので、雨で外へ出せない日や収容後もキリンを観察可能になりました。まだ寒い日が続きますが、迫力あるキリンたちの群れを観察しに足をお運びください。

〔多摩動物公園北園飼育展示係 熊谷〕

(2023年02月24日)



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