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モウコノウマ搬出
 └─ 2023/01/27
 1月11日、モウコノウマ3頭をよこはま動物園ズーラシア(以下「ズーラシア」)へ搬出する作業をおこないました。今回、「フルール」「ジャスミン」「カルミア」の3頭を移動する予定でしたが、カルミアが輸送箱に入らず、フルールとジャスミンのみの移動となりました。

 搬出当日は、飼育担当が朝早くからほかのモウコノウマの放飼や寝室の掃除、輸送箱の設置など搬出のための準備をし、午前9時ごろから、獣医師6名、応援隊14名が集まり、モウコノウマを輸送箱に入れる作業を開始しました。計画では吹き矢で鎮静剤を打ち、直ぐに輸送箱に追うという手順をA・Bの2チームに分かれ、時間差をつけておこなうこととしました。

 最初に、Aチームが箱入れを試みたのは、カルミアです。しかし、カルミアは頑なに輸送箱に入ろうとしません。


輸送箱の直前で止まってしまうカルミア

 しばらくして、Bチームが平行してフルールの箱入れに取りかかりました。フルールは、鎮静剤を打つ前から輸送箱に入りそうな勢いで近づいていき、吹き矢を打ったとたんに、直ぐに輸送箱に駆け込んでいきました。あまりにもすんなりと入ったため、拍子抜けしてしまいましたが、ひとまず、フルールを入れた輸送箱をトラックに積み込み、1頭の作業が完了しました。

 ついで、Bチームは3頭目のジャスミンに取りかかりました。ジャスミンもまた、輸送箱にすぐに入りそうな雰囲気でした。鎮静剤を打つと、やや渋ったものの、輸送箱に素直に入ってくれました。


輸送箱に入る前のジャスミン

 さて、まだ抵抗しているのはカルミアです。フルールとジャスミンの作業のあいだにも、Aチームはカルミアを追ったり、飼育担当が輸送箱に呼んだりと、試行錯誤していました。

 そうこうするうちに、ズーラシアへの出発のタイムリミットが来てしまいました。到着時間や、鎮静の効果継続時間を逆算すると、これ以上は作業を延ばすことはできません。残念ながらその日のカルミアの搬出は断念せざるを得ませんでした。

 フルールとジャスミンを乗せたトラックは12時すぎに園を出発しました。鎮静をかけているため、万が一に備え、飼育担当と獣医師が横浜まで同行しました。15時には横浜に到着し、2頭は輸送箱から部屋にすんなりと出てきました。鎮静の効果で傷ひとつなく、元気な姿を確認することができたときには、ほっとしました。今後は横浜でなかよく元気にすごしてほしいです。


ズーラシアの部屋を出たフルール
※部屋でよく動いていたため、少しブレています


輸送箱からズーラシアの部屋に出ていく直前のジャスミン

 搬出できなかったカルミアについては、しばらく時間をかけて警戒心を解き、安全に輸送できるよう慣らしてから、再搬出に臨みたいと思います。

〔多摩動物公園飼育展示課南園 齋藤〕

(2023年01月27日)



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