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モルモットの新しいふれあいプログラム「おしえて!モルモット博士!」
 └─ 2022/12/16
 多摩動物公園では、新型コロナウイルス感染症対策のため、2020年2月からモルモットのふれあい活動を休止していました。そのあいだに内容の見直しをおこない、新しいプログラム「おしえて!モルモット博士!」として2022年10月から試行しています。

 休止前は、さわり方を説明した後、モルモットを参加者のひざの上に乗せ、10分間のふれあいをおこなっていました。そのあいだもさわり方のサポートをおこなっていましたが、モルモットの生態の解説は質問に答える程度で十分にできていなかったと思います。そこで、生きものを大切に思う気持ちを育みながら、さらにモルモットにも配慮したふれあいの方法ができないか検討しました。

 「第2次都立動物園マスタープラン」では、「こどもたちが動物とのふれあいを体験し、動物のぬくもりを感じることは身近な動物に関心を持ち、自然や動物を大切にすることにつながる」と示されています。私たちは「モルモットの生きものとしての魅力」と「動物を大切にする気持ち」を参加者に伝えるためにどうしたらいいのか、何度も話し合いをおこないました。

 その結果、モルモットをひざの上に乗せ、温かさや動きを体で感じること、そしてモルモットを飼育係が大切にしている「愛おしい」気持ちを伝えることが、生きものを大切に思う気持ちを育むことにつながると考えました。また、参加者の多くが幼児から小学校低学年のお子さんなので、飽きることなく話が聞けるような工夫として、紙芝居を使うことにしました。クイズも盛り込みながら、楽しみながら参加できるようにし、パペットの「モルモット博士」がモルモットの代弁者として登場します。


紙芝居のようす

 紙芝居は10分程度の内容です。何のなかまであるか、どんなものを食べるか、怖がりな性格であること、そして飼育係が大切に世話をしていることをモルモット博士と進行役が声を掛け合いながら紹介していきます。その後、モルモットをひざの上でさわりますが、時間はモルモットへの負担を減らすために5分間にしています。

 短く思えるかもしれませんが、参加者のみなさんはモルモットを優しく大事そうにさわり、見つめて、小さなお子さんでもしっかりモルモットに向き合うことができているようです。


気づきを共有する時間

 ふれあいの後、感じたことや発見したことを自分の言葉で発言してもらう共有の時間があります。あたたかい、かわいいという直感的な感想も多いのですが、鳴いた、ツメがあった、目が黒かった、耳が動いたという観察から導かれた発見もありました。最後に、「優しい気持ちでゆっくりと」という動物との向き合い方をモルモット博士の言葉として伝えて終わりにしています。

 まだ試行の段階ですが、事後アンケートでは多くの方から満足という回答をいただきました。モルモット博士やクイズのおかげで小さい子でも飽きずに聞くことができた、ふれあうだけでなく学ぶことができた、モルモットの重みや温かさを感じられたという意見がありました。

 新しいプログラムを通して、モルモットの魅力は伝えられているのではないかと考えています。小さなモルモットとしっかりと向き合うこの体験を通して、生きものを大切に思う気持ち、もっと知りたいと思える気持ちが育まれるといいなと思っています。

〔多摩動物公園教育普及係 近藤〕

(2022年12月16日)



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