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コアラの赤ちゃん成育中
 └─ 2022/12/05
 多摩動物公園では今年6月25日に生まれたコアラの赤ちゃんが母親の袋のなかで成育していますので、お知らせします。

 母親は「きらら」(2018年9月6日 名古屋市東山動植物園生まれ)、父親は「コロン」(2014年11月22日 鹿児島市平川動物公園生まれ)です。

 当園では動物園どうしで相互協力しながら、希少動物コアラの繁殖を進めています。2020年11月12日に埼玉県こども動物自然公園からオスのコロンが、2020年7月27日に名古屋市東山動植物園からメスのきららが、ブリーディングローン(※)により来園しました(コロンの所有園は鹿児島市平川動物公園であるため、平川動物公園とのブリーディングローンになります)。

 今年5月のペアリングで交尾が見られ、6月25日に出産しました。順調に成育して、現在は母親の袋の口が開いた際に、その隙間から赤ちゃんの体の一部が見えることがあります。なお、赤ちゃんの性別はまだ不明です。

※ブリーディングローンについて
 繁殖を目的とした動物の貸借契約のこと。
 動物園間で個体を移動させることによって、新たなペアを形成し、繁殖に寄与することを目的としています。


出産したコアラ「きらら」
(撮影日:2022年11月28日)

当園での飼育状況(2022年12月5日現在)
 5頭(オス1、メス3、不明1) ※成育中の赤ちゃんを含みます。

日本国内の飼育状況(2021年12月31日現在)
 7園館 60頭(オス15、メス41、不明4)
 資料:コアラ国内血統登録台帳【(公社)日本動物園水族館協会】

コアラの繁殖の仕組みについて

 コアラを含めた有袋類ゆうたいるいは、おなかに育児嚢いくじのうと呼ばれる袋を持ち、未熟な状態で生まれた嚢児のうじをこの袋のなかで育てます。コアラの妊娠から出産までの期間は約1ヵ月です。一般的に、大きさは約1.7cm、体重約0.5gと未熟な状態で生まれます。

 生まれた嚢児はすぐに自力で育児嚢に移動し、嚢内の乳首に吸いつきます。そのなかで母乳を飲んで成長します。育児嚢に入ってから約6ヵ月で袋から出るようになり、これを出袋しゅったいと言います。

(2022年12月05日)



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