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タヌキ山のサマーナイト
 └─ 2022/09/29
 多摩動物公園では、2022年8月に3年ぶりの「サマーナイト@Tama Zoo」(開園時間延長)を実施しました。

 台風の影響で中止となった初日を除き、全5日間開催されたサマーナイトは夜の20時まで開園しました。道端には案内のための灯篭が置かれるなど、参加された方はふだんと一味違う夜の動物園の雰囲気を十分に楽しんでいるようでした。

 今回の記事では「タヌキ山のサマーナイト」ならぬ、ホンドタヌキの夜をご紹介します。

 現在、多摩動物公園のタヌキ山には全部でオス2頭メス2頭の、合計4頭のタヌキがいます。ふだんはお客さまからの「あれー? タヌキいないねー?」という声をよく耳にしますが、タヌキは夜行性の動物です。日中は隠れて寝ていることが多く、木の上や草むら、巣箱の中などにいることが多いため、見られないことがあります。排便や採食のときくらいしか、動いている姿を見ることができません。活発に動き出すのは夕方以降で、季節にもよりますが、閉園後の18時半すぎごろから動き出します。


センサーカメラで撮影した夜のタヌキ

 そんな、ふだんはあまり動かない多摩のタヌキたちの、珍しい活発な姿を拝めるのがサマーナイト!

 通常は閉園している18時半すぎ、あたりが薄暗くなってきて、えさをいつも盗んでいくカラスも山に帰っていくころ……展示場にライトをつけて、えさをばらまきます。いつもはカラスにとられないようにえさ箱に設置しますが、サマーナイトならカラスがいなくなる頃合いを見て展示場内にまくことができます。

 下の写真はえさを求めて動き出すタヌキたち。草むらをかき分けてえさを探しています。


夕方から動き出すタヌキ

 その姿を見て、「あ! なんかいる! 動いてる! タヌキいた!」と、うれしそうな声を聞けると担当者も満足です。時々えさ箱の中にも入るので、はっきりと姿が見られるチャンスもあります。警戒心が強く、ふだんは見つけにくいタヌキですが、夜の動物園ならではの光景ですね。

 サマーナイトでなくても、よく探せばタヌキを観察できることがあります。昼間にタヌキたちを探すときは、木に注目してみてください。展示場に向かって左側の大きなカキの木や、真ん中のつげの木の上にいることが多いです。たまに右のヒサカキの木の上にいることもあります。しかし、暑い日や雨の日だと草むらや巣箱の中にいて見えないこともあります。

 「タヌキいないねー」と素通りされがちですが、自然豊かな展示場で一生懸命タヌキを探してみるのもこの展示場の醍醐味です。ぜひ昼間もタヌキに会いに来てください。


展示場内でよくいる場所


【動画】タヌキ山のサマーナイト(音声があります)

〔多摩動物公園南園飼育展示第2係 濱田〕
(2022年09月29日)



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