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子育てエリアのひなまつり
 └─ 2022/08/26
 多摩動物公園ではさまざまな鳥類を飼育・展示しています。特にニホンコウノトリはアジア園の4ヵ所で飼育しており、「共生エリア」「お見合いエリア」「子育てエリア」「ストックエリア」の4つのテーマに分けて展示しています。

 今回は、その中でコウノトリの子育てエリアとしての役割を担っているたまご広場横の展示場を紹介します。

 国内の繁殖計画に基づき、今年は子育てエリアのペアにほかの飼育施設のペアが産んだ卵を抱かせて、ひなを育ててもらうことになりました。このペアは、これまでにひなを育てた経験のある子育て上手なペアです。5月22日と23日に、卵からひながかえりました。ひなは約70日間巣にとどまり、親が吐き出したえさを食べて育ちます。コウノトリの子育てはオスとメスが共同でおこないます。ひながもっとも食欲旺盛であったときのアジ、ワカサギ、ドジョウの合計給餌量は3kgを超えました。この2羽のひなは、8月8日に無事巣立ちを迎えることができました。


コウノトリのひな
(撮影日:2022年6月17日)

 実は、このエリアではガン類の繁殖にも力を入れています。今年はインドガン、ハイイロガン、ハクガンが孵化しました。今回繁殖したハクガンのペアは、昨年大島公園から来園したオスと、多摩動物公園生まれのメスの新たなペアです(関連記事はこちら)。

 残念ながらハイイロガンの親は子育てを放棄してしまったため、ひなは育雛舎に収容して飼育係が育てています。このため現在「子育てエリア」では、インドガンとハクガンの子育てのようすをご覧いただけます。


インドガンの親子(手前がひな)
(撮影日:2022年6月25日)


【動画】ハクガンの親子
(撮影日:2022年6月25日)

 ガン類のひなはコウノトリのひなとは違い、孵化してすぐに親について歩くことができます。ガンの親はひなが外敵に襲われないよう、オスとメスで守りながら歩きます。常に両親に守られているという点ではコウノトリといっしょです。ガンの親子を探す際には、まずは似た羽の模様で、3~4羽でまとまって行動しているガンを見つけてみてください。2羽の親と比べて、淡い色をした鳥がひなです。

 今年の子育てエリアでは、コウノトリにもガンにもたくさんのひながいて、まるで“おまつり”のようにとてもにぎやかです。ぜひひなたちがすくすく成長するようすをあたたかく見守ってください。それぞれの親子の行動を観察し、比較してみることもおもしろいですよ。

〔多摩動物公園南園飼育展示第2係 末廣〕

(2022年08月26日)



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