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グレビーシマウマの「ライチ」が死亡しました
 └─ 2022/03/14
 グレビーシマウマの「ライチ」(メス)が死亡しましたので、お知らせします。22歳でした。


グレビーシマウマ「ライチ」
(撮影日:2021年4月7日)

 ライチは1999年3月26日に多摩動物公園で生まれ、これまでに4頭の子を産んでいます。

 3月10日の朝、起き上がれないところを飼育係が発見しました。起立不能で回復が見込めないことから、今後苦痛が増大していく状況と判断し、やむを得ず、安楽死処置をおこないましたので報告します。

死亡までの経緯

 ライチは2022年1月ごろから体調を崩し、多飲多尿を繰り返して尿検査で糖が検出されていることから、内分泌疾患による糖の代謝異常を疑いました。低糖質のえさを新たに購入したり、カシ類の枝葉を与えたりして血糖値の変化が少ないよう対応してきました。その後しだいに体重が減少し、歩行時にふらつくなど体力が衰えていきました。

 3月10日の朝、横臥した状態で四肢に力がない状況であるのを飼育係が発見しました。起立させるよう試みましたが起立不能であり、また下側になった皮膚の破綻がみられはじめるなど、さらに状態が急速に悪化していきました。回復が見込めないことから、今後苦痛が増大していく状況と判断し、大変残念ではありますが、やむを得ず、安楽死処置をおこないました。

安楽死処置の判断と実施

 2022年3月10日朝、これまでの状況の推移と当日朝の状況について、園長、獣医師、飼育係らで検討した結果、以下の理由から、安楽死処置をすることで苦痛を長引かせることを避けるのがアニマルウェルフェア(動物福祉)につながるものと判断しました。

安楽死処置判断に至る理由
・高齢であり、麻酔のリスクを冒して、帯ロープなどを使用した起立補助はかえって苦痛を与えてしまい、ライチにとって今後の生活の質(QOL)を損なうこと。
・完全な横臥で四肢に力がない状況となり、下側になった皮膚の破綻が見られはじめるなど、状態が急速に悪化していたこと。
・このまま起立困難な状態が続いた場合、内臓の圧迫による呼吸困難や床ずれが生じ、敗血症を併発して新たな苦痛となる可能性が高いこと。

 以上により、今後状態が急速に悪化していくことが予想されたため、当日の昼前に苦痛を感じさせることのないよう配慮した方法で、安楽死処置をおこないました。

処置後の対応

 処置後、すみやかに解剖をおこなったところ、肉眼的に副腎と下垂体に異常が認められました。この部位の異常により、上述の「死亡までの経緯」に記した症状が発生したと考えられます。今後、大学で副腎と下垂体の精密検査等をおこなう予定です。また、11日の夕方、国立科学博物館にライチの遺体を提供しました。

 現在は臨時休園中であり、動物へのお花などのお供えは受け付けていません。なにとぞご理解願います。再開園後の献花場所は慰霊碑としていますので、シマウマの展示場周囲への献花などはご遠慮ください。ご足労をおかけいたしますが、慰霊碑へお願い申し上げます。

 このたびはたいへん悲しいお知らせとなりましたが、ご理解いただきますようお願いいたします。

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