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コアラの赤ちゃん生育中
 └─ 2021/10/28
 多摩動物公園で今年5月に生まれたコアラの赤ちゃんが母親の袋の中で生育していますので、お知らせします。

 コアラの赤ちゃんは2021年5月18日に生まれました。母親は「こまち」(2017年4月27日 名古屋市東山動植物園生まれ)、父親は「コロン」(2014年11月22日 鹿児島市平川動物公園生まれ)、性別はまだ不明です。

 2021年10月28日現在、多摩動物公園で飼育しているコアラは5頭(オス2、メス2、不明1)です。


出産したコアラ「こまち」
(撮影日:2021年10月18日)

経緯

 当園では飼育園館どうしで相互協力しながら、希少動物コアラの繁殖を進めています。2020年7月27日に名古屋市東山動植物園からこまちが、同年11月12日に埼玉県こども動物自然公園からコロンが、ぞれぞれブリーディングローン(※)により来園しました(コロンの所有園は鹿児島市平川動物公園であるため平川動物公園とのブリーディングローン)。

 今年4月のペアリングで交尾が見られ、5月18日に出産しました。順調に生育して、現在は母親の袋の口が開いた際に、その隙間から赤ちゃんの体の一部が見えることがあります。

※ブリーディングローンについて
 繁殖を目的とした動物の貸借契約のこと。
 動物園間で個体を移動させることによって新たなペア形成を促し、繁殖に寄与することを目的としています。

コアラの繁殖の仕組みについて

 コアラを含めた有袋類は、おなかに育児嚢(いくじのう)と呼ばれる袋を持ち、未熟な状態で生まれた嚢児(のうじ)をこの袋の中で育てます。コアラの妊娠から出産までの期間は約1ヶ月です。
 一般的に、大きさは約1.7cm、体重約0.5gと未熟な状態で生まれます。生まれた嚢児はすぐに自力で育児嚢に移動し、嚢内の乳首に吸いつきます。その中で母乳を飲んで成長します。育児嚢に入ってから約6ヵ月で袋から出るようになり、これを出袋(しゅったい)といいます。

◎関連ニュース
コアラの「こまち」と「きらら」が名古屋市東山動植物園から来園します(2020年7月13日)
コアラの「コロン」が埼玉県こども動物自然公園から来園します(2020年11月5日)

(2021年10月28日)



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