ニュース
シフゾウ「アオバ」の落角
 └─2021/01/29
 多摩動物公園では今年もシフゾウ「アオバ」の角が両方落ちました。

 2021年1月4日朝、動物舎の中に左右の角が落ちているのを確認。アオバは落角に驚いたのか、えさを食べておらず、落ち着きがありませんでした。角の重さを計ったところ、右が2.0kg、左が1.5kgでした。

 前回は日中、運動場に左右の角が落ちているのを発見しました。2019年12月29日のことだったので、アオバは年末年始に落角しているようです。

角の落ちたアオバ
落ちた角。左が「右の角」、右が「左の角」。少し細い枝が後方に向かって伸びていた。

 立派な角が生えていた頃は顔付きにも貫禄が見られ、態度も堂々としていて、いばっているようにも感じられました。発情期に入ると力がありあまっているのか、放飼場の地面のあちらこちらを角で突いては掘り返している姿をよく見かけました。そのため、放飼場の地面には大きな窪みができてしまい、雨が降るたびに大きな水たまりになるほどです。

 地面を突くだけでなく、石垣の隙間や鉄柵の間、地面から出ている石など、角が入るところに突っ込んでは力比べを繰り返していました。それにしても、全身で力任せに何度も地面に突き立てたりしてもびくともしない角が、時期が来るとポロリと簡単に落ちてしまうことがいつもながら不思議です。

 角が落ちた後のアオバは顔付きも穏やかに見えます。むしろ小顔となって、何となく貧相な顔立ちにさえ見えるのが不思議です。それだけシフゾウのオスにとって立派な角の存在は大きいように感じます。

 しかし、落角後数日で今年の角がすでに生え始めています。角の落ちた断面が徐々に盛り上がり始め、今ではまるで女の子の「お団子」の髪型のような形を見せています。これから先、日に日に角は長さと太さを増し、枝分かれをしながら大きくなっていきます。今は、まだおとなしいアオバですが、成長途上の「袋角」が破れるころには立派な角が完成し、堂々としたオスのシフゾウになることでしょう。

〔多摩動物公園南園飼育展示係 横田〕

(2021年01月29日)



ページトップへ