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タスマニアデビルの足の裏
 └─2018/12/07

 タスマニアデビルのオス「テイマー」と「ダーウェント」が多摩動物公園に来て1年が経ちました。兄弟ではあるものの、テイマーはやや攻撃的で力が強く、ダーウェントのほうはおとなしい性格です。同居するとケンカになるので、わかれて生活をしています。どちらも元気いっぱいで、体重はこの1年で1.5キロ以上増えました。

 昨年の来園時(2017年11月)、タスマニアデビルたちといっしょに来日したデービッド・シャープ氏に、麻袋を使った「保定」を教わりました。動物を運んだり治療したりする際、動物に負担をかけず、また人間も安全に作業ができるよう、動物の動きを制限するのが保定です。動画のとおり、麻袋を使って保定します。


【動画】タスマニアデビルの保定法。袋の口を開けると後半身がある


 保定の際、麻袋から出たその足の裏に触る機会がありました。イエネコの足裏の肉球がプニプニと柔らかいのをごぞんじの方は多いと思います。タスマニアデビルの足裏は、ネコよりもフニフニ、フワフワとしていて、柔らかい感触で思わず「気持ちいい!」と言ってしまう触り心地でした。

歩くときなどは後ろ足がつま先立ちのような状態になる

 タスアニアデビルは切り立った岩山から海岸、民家の近くなど、さまざまな環境に適応していて、木登りもできますし、地面を掘るのも得意です。夜間に十数キロを走り回ってえさを探すので、もう少し硬くないとケガをするのではないかと思ってしまいますが、肉厚の足裏はクッションとしての役割があり、滑り止めになっているのかもしれません。

立ち上がるときは踵まで地面につけている
伏せているときが足裏観察のチャンス

 前足は手首、後ろ足は踵のあたりまで毛が生えていません。歩くときや走るときにはつま先立ちのような状態になり、立ち止まっているときや後ろ足で立ち上がるときには踵までべったり地面につけています。冬は寒そうに見えるので、しもやけになったりしなのだろうかと思いましたが、寒い日でも水に入ることがあり、なんともないようすです。べたっと伏せて寝ているときなどには足の裏がよく見えることがあります。多摩動物公園でタスマニアデビルの足裏を観察してみてはいかがでしょうか?

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