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アマビコヤスデ、始めました
 └─2018/10/26

 多摩動物公園昆虫生態園の「南西諸島のいきもの」コーナーで新たな展示を始めました。南西諸島に生息するアマビコヤスデ属の一種です。ヤスデはムカデと同じ多足類のひとつですが、肉食のムカデと異なり植物食で、落ち葉の中でくらしています。アマビコヤスデはヤスデとしては大型で、体長が4~5センチあります。本州のアマビコヤスデの亜種とも言われていますが、分類がはっきりしていません。今までにも昆虫園では何度か展示をしている種ですが、残念ながら累代飼育にはいたっておらず、今回ふたたび飼育に挑戦するために導入しました。


 ヤスデのなかまは臭いを発することが知られていますが、それはこのアマビコヤスデも同様です。来園当初、すみずみまで観察するために指でつまみあげて見ていたところ、刺激的な臭いを発してくれました。その後、手を洗ってもその臭いは取れることなく、しばらく楽しむことができました。

 「ヤスデ」というと、大発生したり、家の中に入ってきたり、臭いを出したり……マイナスイメージをもつ方が多いかもしれません。しかし、ヤスデのなかまは森の中で落ち葉などを食べて糞として排出し、森の土をつくる大切な役割を果たしている生き物です。

 また、今回展示を開始したアマビコヤスデはその色合いが美しく、腐葉土の中で黒と黄のしま模様があざやかに映えています。ぜひ昆虫園へ足を運んでアマビコヤスデをご覧いただき、ヤスデに対するイメージを変えていただけたらと思います。

〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 古川紗織〕

(2018年10月26日)


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